グレース・宮本さん:「アメリカの真珠」出版
日系人の「輝き」描く
2008年5月10日

和田勇、正子夫妻を両親に持つ日系3世の著述家、グレース・美弥
子・宮本さんが書き下ろした「アメリカの真珠」(訳・神林敬里)がこの
ほど、講談社から発売された。さまざまな試練を乗り越え、社会のため、
人のために人生を捧げ、謙虚ながらにも「真珠」のような輝きを持つ日系
人たちの心温まるストーリーを紹介している。
「一部政治家などを除き、尊敬できる日系人女性の話をあまり聞かな
い…。探せばきっといるはず」—。
当時、ハワイのコナ地方に在住していた宮本さんの周りには、多くの日
系人が住んでいた。話を聞いてみると、みな差別と闘い、懸命に働き、自
分や家族のみならず、社会のために多大なる貢献をしていることが分かっ
た。人間の生き方にかかわる物語に強い興味を持つ宮本さんは、控えめに
輝くこの「真珠」たちにスポットライトを当て、より多くの人に彼らの素
晴らしさを知ってもらいたいと、執筆活動を始めた。
以来、当地の新聞「ハワイ・ヘラルド紙」に数々のストーリーが掲載さ
れ、その一部を取り上げたのが、「アメリカの真珠」。
コナ地方に住む日系人女性から始まった宮本さんの「真珠探し」は、本
土へ移動。女性のみならず、素晴らしい男性にも出会った。「偉業を達成
している人たちにもかかわらず、皆近所にいるようなごく普通の人ばか
り。ただ1つ違うのは、彼らは自分たちの名声や財政のために偉業を成し
遂げようとしているのでなく、純粋に人を救いたい、社会を変えたいとの
気持ちから努力しており、その彼らの精神に感銘を受けた」
本書には、11人の真珠たちのストーリーが掲載されている。結婚を機
に日本からコナにやってきたごく普通の女性、リンダ・スギさんが、コー
ヒー豆の検査官からタイのコーヒー栽培指導教官になるまでの半生や、災
害で途方に暮れる被災者を救うため、凄まじい状況下でも気丈に救済に励
むグレナ・キムラ・ユーイングさん、がんにもめげず、平和運動を続ける
アキコ・クロセさんなどの感動ストーリーが満載。
日本語での出版を受け宮本さんは、「日系人がどのようにアメリカ生活
を乗り越え、今に至っているのか、日本の人にも知ってもらいたい」。
巻末には、祖国日本でオリンピックを開催させるため奔走した和田勇氏
の熱き心を描いた「祖国へ、熱き心を—東京にオリンピックを呼んだ
男—」(講談社文庫)を執筆した作家、高杉良氏のコメントもある。
全204ページ。当地の日系各書店にて販売中。
(中村良子) |