対米関係については、個人史に根付く思いがある。炭鉱の町に生まれ育
ち、父親も炭鉱の仕事をしていた。事故や閉山にまつわる話は尽きない。
そこから、日本の生命線としてのオイル、そしてそれを守る米国の存在が
大きくものの見方に影響してきた。「飛躍するかもしれないが、そうした
意味でも米国との友好関係は実に貴重」
日系社会との付き合いも古い。サンフランシスコ総領事館勤務の時以来
だが、最初は「苦難な歴史を歩んだ人たちということで、ある意味では恐
る恐る接していた部分があったかもしれない」。そうした接触で作ってき
た数多くの関係がいまだに続いており、米有力紙で長年編集者を勤めた初
の日系人ビル・ホソカワ氏もその1人だ。
前任の日系担当領事、海部優子さんについては「日系社会に愛された」
と評価。それでも「あまりハードルを高くしたくはない」と、無理なくで
きることをしていくつもりだ。
「外に出なければ外交は始まらない」という信念を胸に秘めながら、
「とにかく、まず1人でも多くの人と会い、1人でも多くの人から話を聞
きたい」。優しいまなざしから、外交の基本に忠実であろうとする熱っぽ
い視線が光った。(長島、写真=永田潤)
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