全米日系人博物館:ゲイラディナーに1300人
日系史伝承を再認識
2007年4月28日

「文化大使」として表彰された県人会などの受賞者
全米日系人博物館(アイリーン・ヒラノ館長)は日系社会の発展に寄与
した企業や団体、人物を表彰し、同時に同館の運営資金集めの各種チャリ
ティーオークションを行う「ゲイラディナー」を14日、センチュリープ
ラザホテルで催した。約1300人の参加者は日系史を後世に長く伝える
博物館の重要性を再認識し受賞者をたたえた。各種オークションでは、多
種類の商品を競り合うなどして賑わい同胞との絆を深めた。
ゲイラディナーでの今年のテーマは「日米関係」。同館は150年を超
えるさまざまな日米修好の中で「人々のつながり」に着眼し、「日本とア
メリカ」「日本と日系人社会」を結びつけた企業と各団体を表彰した。
表彰は分野ごとに評価された。日系企業の米国での経済活動と日系組織
を支援した「企業慈善事業」として「日本経団連」。いずれも創立百年を
超えた「ニューヨーク日米協会」「コロラド日系人協会」「南カリフォル
ニアの11県人会」(千葉、福島、鹿児島、三重、宮城、長野、岡山、佐
賀、滋賀、静岡、山口)は「文化大使」として。20年間で約2万人が訪
日し全国で英語教師などを務めた「JET(Japanese Exchange and
Teaching) 同窓会」は「世界規模の教育」が、「日本財団」は世界90カ
国での慈善事業などの「優れた洞察力」が認められた。
授賞式では各受賞者の活動内容や歴史などをビデオで紹介。受賞者はス
テージで記念の品や盾を授与され、代表があいさつし受賞の喜びや日米関
係の重要さを語り大きな拍手を浴びた。
日本経団連を代表して参加した本田敬吉・アメリカ委員会企画部会長
(日本NCR特別顧問)は、「世界中に日米友好に貢献する施設がある
が、小東京の全米日系人博物館は日系コミュニティーの中にある施設とい
うことで非常に特徴的。今後さらに日米の文化的な交流を深めて行きた
い」と話した。
同博物館の設立前から献金する日本財団は、同館ウエブサイト
「Discover Nikkei」(www.discovernikkei.org)の立ち上げに全面協力するな
どしている。尾形武寿理事長は「困っている時は、同胞が助けるべき」と
支援を惜しまない。来米前にアルゼンチンとペルーの日系社会視察に訪れ
た理事長は、「どこの日系人も誠実で努力家。日本人として誇りに思う」
と称讃した。
受賞を「光栄です」と、口を揃えた沢岻安和・南加県人会協議会会長と
リチャード・フクハラ山口県人会会長。沢岻会長は受賞を機に、これまで
関係が皆無だった同館との交流を図りたいとし、「文化交流による日系社
会の活性化」を提案した。「JANMは『日本博物館』ではなく、全米
『日系人』博物館だ」と力を込めたフクハラ会長。世代の移り変わりで疎
遠になる日系人社会を憂い、改善には「英語を話す日系人による県人会復
興が大切」と提言。「JANMと県人会の歩む道は1つ」と、同じ境遇に
ある少数同民族の助け合いを強く訴えた。
イベントの総合司会を務めたKTLAアンカーで日本人の血を引くフラ
ンク・バックリー氏は、母から教わったという得意の日本語とジョークを
交え進行。式の開始前に開かれたサイレントオークションは、多くの企業
や個人などから寄せられた高級乗用車などさまざまな品物が並んだ。授賞
式の合間に行われたライブオークションは白熱。ハワイ州選出のダニエル
・イノウエ上院議員は自身が発案した「Bid for Education」への協力を要
請した。同プログラムは子供たちを博物館に招待するもので、バスなどの
交通費を寄付し入館無料で日系史を伝えている。
最後はヒラノ館長があいさつに立ち寛大なサポートに謝意を表し、支援
の継続を呼び掛けた。(大西、潤) |