①語彙が増える/知識が豊富になる
本を読むことによって、日常生活ではあまり使われない語彙に遭遇する
ことができます。話し言葉と書き言葉は違う点からいうと、例えば、会話
では「友達」と言いますが、文章では「友人」という言葉が使われること
があります。書きことばに触れることにより、語彙が増えていきます。
また、人が生活の周りから得る知識は限られています。いろいろな分野
の本を読んで、知らない世界に飛び込むことで、知識は膨らんでくるので
はないでしょうか。読書の効用として、もう一つ大切なことがあります。
世の中には様々な考え方がある、ということを知ることができるのです。
②日本語の構文を学ぶ
日本語の本を読むことで、構文に触れます。主語、述語、目的語の並べ
方、形容詞や接続詞の使い方、「こ・そ・あ・ど」、「て・に・を・は」
などの使い方も学ぶことができます。
③抽象的言語の習得
この抽象的言語が習得されていないと、現地校でも小学校3、4年から
の学習が困難になります。抽象言語とは、目に見えない、手で触れること
ができない言語、そして頭の中でわかる言語です。これも現実にあり得な
い話、いわゆるおとぎ話や昔話、伝説などの本をたくさん読むことによっ
て習得していきますので、「ももたろう」、「さるかに合戦」、「一寸法
師」など、面白いストーリーの本をたくさん読ませてあげましょう。
具体的言語から抽象的言語を理解すること、この移行がうまく行なわれ
るかどうかが、学習していくうえでの重要なポイントになります。
(2)本好きな子どもに育てるには!
①家庭での「リーディング・タイム」をつくる
毎朝、学校へ行く前の30分を読書の時間と決めている家庭がありま
す。母親の作ったルールですが、子どももきちんと守っています。「学校
の宿題が多くて、日本語の本を読む時間がない」という声をよく聞きます
が、読書の時間は、意図的につくらないと取れません。朝でも夕食後でも
よいですから、15分から30分を当てましょう。
②環境づくり
「親の姿を見て子は育つ」といわれますが、本好きな子どもに育てるに
は、まず親が本を読んでいる姿を子どもに見せることではないでしょう
か。親がテレビばかり見ていたり、コンピューターにばかり向かっている
と、子どももすぐ真似をします。親が本を読んでいると、自分も好きな本
を抱えて横に座ってくることがあります。あまり本に興味がない子どもに
は、読み聞かせでもよいですから、毎日、就寝前に読んであげてくださ
い。次に「今度は、お母さんに読んで聞かせて」と水を向けてみましょ
う。得意げに読み始めるかも知れません。
部屋の本棚に、興味が持てるような本や図鑑をたくさん並べておく環境
づくりも大切です。図鑑を見るのが大好きな子どもは、知識がとても豊富
ですね。
③二言語環境での読書
現地校で学んでいる子どもは、ブックレポートの宿題などもあり、英文
の本も読まなければなりません。第2言語で本を読むとき、内容が理解で
きていないケースも多いですから要注意です。
学校の授業で使用される「Core Reading Book」 という、学年ごとにリ
ストされた必読書があります。有名な本は対訳版が出ていますので、まず
日本語版を読んで、次に英語版を読むと内容が理解でき、レポート作成の
役に立つでしょう。
英語圏に滞在して2年程すると、読解力は2年生レベルに近づくようで
すが、中には、3年経っても読みの力がない子どもがいます。それは4、
5歳のとき英語圏で育ち始めた子どもで、日本語で十分に読めない子ども
たちです。時間がかかっても、日本語の本が読めるように努力させてみま
しょう。日本語の文章で読解力がある子どもは、英語の文章でも、読解力
を早く身につけるようです。
子どもは初めて見たもの、初めて聞いたことに目を輝かせて感動しま
す。体験だけでは得られないものを本から学ぶのです。いろいろな世界へ
連れて行ってくれる本は、学習へのよい影響だけでなく心の栄養になりま
すね。さあ、今日から家庭での「リーディング・タイム」をつくりましょ
う。 |