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JFC:LA近郊に本社移転
最新施設の倉庫完備

2008年5月17日


本社移転を祝し乾杯。左から伊原総領事、茂木会長、バッカ市長

 醤油の世界戦略を展開する「キッコーマン」が100%出資するグルー
プ企業で、全米最大の日本食卸売業者「JFCインターナショナル社」
(榎本博行社長)は四月に本社機能をサンフランシスコからロサンゼルス
近郊のシティ・オブ・コマースへ移し8日、移転記念式典をキョウト・グ
ランドホテルで催した。

 キッコーマン本社から茂木友三郎会長、染谷光男・代表取締役社長ら幹
部が来米し、本社新社屋と併設し最新システムを備えた倉庫を公開。盛大
に開かれた式典では、地元日系企業など取引先から参列した招待客ら約
250人から祝福を受け、新たな船出を飾った。

本社移転は世界戦略の一環
茂木会長「業界首位堅持を」

 茂木・キッコーマン会長と榎本・JFC社長はこの日、本社移転記念式
典前の記者会見に臨み、キッコーマングループのグローバルな経営方針を
発表。今回の移転は世界戦略の一環であるとし、本社機能強化と同新社屋
内に併設した配送センター(新倉庫)の利点を最大限に生かした効率的な
物流機能を実現し、世界1を誇る日本食卸業界をリードすることを強調し
た。

 茂木会長は、昨年キッコーマンの米国進出50周年を契機に策定し、
2020年を目標にした基本戦略を発表した。「独自性のある質の高い差
別化された企業集団を目指す」を概要とし、同グループにおいて醤油に次
ぐ第2の柱がJFCの進める「日本食・東洋食の卸の世界戦略」と説明。
米国における日本食の最大市場ロサンゼルスに本社を移すことで、「世界
ナンバー1の日本食卸の地位を強固なものしたい」と力を込めた。さら
に、「本社機能の強化は米国のみならず世界各地における日本食の普及に
貢献できるものと確信している」と述べた。

 榎本社長は本社移転に当地を選んだ理由に、扱う商品の半分が日本とア
ジアから輸入されるので、「ロングビーチ港近くに倉庫を構えるのは有意
義」と説いた。多品種(約1万5千種)を限られた収納スペースで出荷す
ることがポイントとし、品質管理は「システム(コンピューター)だけに
頼らずマニュアル(手作業)と併せることが重要」と示した。同じLAに
本社を置く同業他社との競合について、「競争はマーケットを大きくする
要因になる」と指摘。「日本食の普及という目標が同じの共同貿易と西本
貿易といい競争をしたい」と、意欲を示した。

新倉庫:コンピューター化図り
効率と品質管理を徹底

 本社移転に約4千万ドルを投じ、業務・小売り両用の新倉庫は既存の設
備を改修した。床面積は、約20万平方フィート。天井は高く、サンフラ
ンシスコの約3倍の収納能力を備えている。さらなるスペース有効利用の
ために在庫棚の間隔を食品業界では最も狭い六フィートに抑えた。

 商品は効率と正確さを重視するためにコンピューター化を図り、バーコ
ードやカメラスキャナーを駆使。「トレーサビリティ・システム」(商品
流通履歴管理)を導入し、品質管理を徹底している。また、在庫管理シス
テム導入により、オペレーションやスペースの効率化が図られた。

 倉庫内は品質管理向上のため、常温、冷蔵、冷凍、超低温の四温度帯に
区分け。商品価値の高いマグロなど冷凍魚の保存に適し、味に定評のある
超低温冷凍庫(華氏マイナス50度)は全米最大級という。

 一旦本社倉庫に集められた商品は、南カリフォルニアを中心に出荷さ
れ、サンディエゴ、ラスベガス、アリゾナの各倉庫へ向け搬出される。ト
ラックでの配送順路に基づき、コンピューターが荷積みの順番を決定。商
品移動は従来の手作業から、ベルトコンベアーを取り入れ、さまざまな注
文に迅速な対応ができるようになった。

 すし店からアジア料理店、高級ホテル・レストラン、大手または健康食
専門のスーパマーケットなど多様な客のニーズに対し、質の高い商品と
サービスを提供する。

 倉庫はまだテスト使用の段階で、7月に本格稼働の予定。

環境に配慮し改修、7月に本格稼働へ

 新社屋には、キッコーマンが取り組む環境を配慮した改修を施した。屋
根の防水剤は白色の反射率の高い材質を使うことで倉庫内の保冷効果を高
めている。また将来、太陽光発電用のパネルが設置できるように設計され
ている。冷媒はオゾン層を破壊しないものを採用。トイレの小便器は、水
を一切使わない。土壌を自主的に洗浄し、州と連邦政府が定める基準より
遥かに高い数値を記録した。

式典に参加者250人、LA本社を熱烈歓迎

 式典には約250人が参加。振る舞われたすしなどの日本食に舌鼓を打
ち、地酒を酌み交わしながら歓談し本社移転を熱烈歓迎した。茂木会長と
榎本社長があいさつ。来賓の伊原純一・在ロサンゼルス総領事とティナ・
バッカ・シティ・オブ・コマース市長が祝辞を贈り式典に花を添えた。

 染谷光男・キッコーマン社長は、大幅な設備投資に対し「倉庫の収容量
は増し、IT化で迅速かつ品質の高い超冷凍の鮮度のいい刺身などが提供
できるようになった」と、規模拡大と品質向上の両面を実現させたことに
胸を張る。「いいサービスが提供でき、お客さんに満足してもらえる」
と、喜んだ。

 JFC International Inc.
 7101 East Slauson Ave.
 Los Angeles, CA 90040
 電話323・721・6100。
 www.jfc.com/

 松秀二郎・マルカイ社長 自然・健康食の日本食に関心が高いアメリカ
人は多い。この産業はまだまだ伸び、JFCの移転は将来を見越し器(倉
庫)を大きくしたことは正解。成功を確信している。

 前田拓・前田園社長 LAは和食で全米一の市場。最大手の問屋が来た
ことで、「問屋」「メーカー」「市場」の三者の関係が今まで以上に強く
なりマーケットニーズに合った新商品の開発もしやすくなる。大歓迎した
い。

 木村茂・JETROロサンゼルス事務所所長 LAを拠点にする同業他
社との競争が増す。ライバルが刺激し合って普及・啓蒙し、LAの日本食
のすそ野を広げてもらいたい。
(永田 潤、写真も)

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