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総領事館新年会:兒玉総領事が最後のホスト
参列者450人、名残惜しむ
2008年1月21日



乾杯する兒玉総領事。参加者は
新年と総領事の前途を祝した

 7日発令された帰任辞令を受け11日に帰
国した兒玉和夫・在ロサンゼルス日本国総領
事。10日、ハンコックパークの総領事公邸
で催された総領事館主催の新年会では最後の
ホストを務めることになった。参列者は突然
の知らせに動揺を隠し切れない様子で名残を
惜しんだ。

 例年の招待客は300人前後というが、今回は別れのあいさつを述べよ
うと参加希望者が後を絶たず、総領事館は特別に対応。送別を兼ねた会と
し、異例の約450人が参集し、総領事夫妻はすべてのゲストを迎え入れ
た。

 これまでのスピーチの多くで、ジョークを織り交ぜた総領事。お別れの
あいさつでも、ユニークな「後任者へ託す3通の手紙」を披露し、笑いを
誘った。沈みがちな参加者の気分を明るくしたところで、約1年6カ月間
という在任中の思い出を振り返った。「魅力のある変化に富んだ町ロサン
ゼルスの生活を楽しんだ」と満足感を伝えた。日系社会ではジョージ荒谷
さんのような指導者と出会い、育てられたことに感謝。「これからも総領
事館をお願いします」と協力を呼びかけ、日米両国の友好関係を祈念し最
後のあいさつを結んだ。

 日系諸団体の代表と地元政治家、総領事の友人ら13代表があいさつ
し、新年を祝いつつも、複雑な心情で送る言葉を述べた。日系の代表は帰
任を、「ショッキング」「残念」「あともう少しいてほしかった」など
と、日系社会全体の声を代弁するかのように惜別の情を込めた。

 総領事は、日本の対外政策である平和主義や地球温暖化対策、食文化の
普及などを進めた。公務を忠実に遂行しつつ、持論を述べながら臨機応変
に対応。米国民に誤解を招いたロサンゼルス・タイムズの対日批判に反論
投稿も寄せた。

 代表者あいさつに立った一人トム・プレート氏は総領事の親友。国際ジ
ャーナリストでUCLA教授を務め、アジア太平洋地域諸国の政治・経
済、外交政策に詳しく、「総領事は日本の政治や外交政策を外に向けて訴
える優秀な外交官だ」と称賛。国内外の有力紙のコラムで鋭い意見を述べ
ている同氏の評価だけに、誰よりも重みのあるものだった。

 日系社会では二世週祭の「ねぶた」と、民間数社との協同の「酒フェス
ティバル」を支援。それらのプロモーションのために総領事公邸をプレス
イベント会場に提供するという奇抜なアイデアで米メディアの関心を高め
た。さまざまな行事に参加した総領事は、土日全体の約3分の2に当たる
95日もの休日を日系社会に捧げたという。

 海外有権者ネットワークLA支部長の高瀬隼彦さんは「総領事がリトル
東京に投票所を移して下さった。功績は大きい」とたたえた。総領事のか
つての部下で元領事、現在は全米日系人博物館副館長の海部優子さんは
「総領事はリトル東京(日系社会)と密接な関係を築かれたので、(離任
を)悲しむ人がいますが、日本に帰って重要なポジションに就かれるの
で、日系社会は喜んでいいと思います」と語った。

 記者の質問に、総領事はいつものように最後まで丁重に答えた。「あっ
という間だった」という在任中は、「日米の絆を強めるために手を携えて
努力する日系社会の輪の中に入りいい仕事ができた」と振り返った。「ボ
ランティアに背を向けてはならない」「出会いの場を大切にしなければ」
と言い聞かせながら走り続けてきたという。中でも、「ねぶた」は一生忘
れられないすばらしい思い出とした。「役割は果たせ充実した仕事ができ
悔いはない」と胸を張った。

 後任は未定で、決定するまで手塚義雅首席領事が総領事代行を務める。
(永田潤、写真も)

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