上映会実行委員長でオーロラ基金理事の高瀬隼彦さんは「八島さんは戦
前の軍国主義の日本で、弾圧を受け投獄された経験もあり、『こんな軍国
主義で芸術は育たない』と息子のマコさんを置いて渡米、マコさんは祖父
宅で育った。マコさんの遺作となった『祖国』と、八島さんの生きざまを
紹介するドキュメンタリーを1人でも多くの人に見てほしい」と訴えた。
また、八島さんと公私にわたり交流の深かった渡辺正清さんは「八島さ
んは、楽しい人で、こわい人で、いろんなことを教えてくれた人。『日本
語を磨く』ことに常に向き合っていた」。八島さんが日米戦争中に英語で
「あたらしい太陽」を出版、良心的な日本人がいることを訴えたことや、
米情報機関に参加し日本兵に向けた「死ぬな」「戦後日本の復興のために
生きて還れ」などの投降ビラを作った話も披露した。
上映会は日米の文化交流を支援する「オーロラ日本語奨学金基金」(阿
岸明子代表)と「カスロフ財団」(東郷昌子代表)2つの非営利団体の共
催。オーロラ日本語奨学金基金は1998年に発足、日本語教育に携わる
大学生や教師の支援をしている。2003年からベネフィット映画上映会
を開催、今年で5回目。また、カスロフ財団は東郷さんと夫のフィリップ
さんが2002年に発足、これまでに「カスロフ財団日系パイオニア賞」
として、日米の文化交流に貢献した人を表彰し、第1回目は浅見紳太さん
に授与。浅見さんのドキュメンタリー映画を製作、上映している。今回は
八島さんとイワマツさんの2人を表彰、上映会当日にイワマツさんの妹に
当たるモモさん(59)が代理で受け取る予定。
東郷さんは「映画会を開催することで人と人が出会える場を提供したか
った」と言い、阿岸さんは「八島さんのドキュメンタリーはもともとはテ
レビ用に作られた作品だが、ぜひ皆でいっしょに大きな画面で見よう」と
呼びかけた。
映画会は29日午後1時から「画家八島太郎慈しむ生命」(1994
年、RKB毎日放送制作、45分)、午後2時半から「祖国」(山田洋次
原作・脚本、堀川とんこう監督)。英語の字幕はない。チケットは15ド
ルで、収益は基金に充てられる。問い合わせはオーロラ基金まで、電話3
23・882・6545(ヒデキさん、谷中さんまで)。
|