同じウィーンを本拠地とするウィーン国立歌劇場管弦楽団は、オペラの
伴奏をするためのオーケストラですが、その団員のほとんどがウィーンフ
ィルの団員も兼ねています。そのウィーン国立歌劇場管弦楽団で、今月8
日、ブルガリア出身の女性ヴァイオリニストが、コンサートミストレスと
して採用されることが決まりました。コンサートミストレスとは、女性の
コンサートマスターのことです。つまり、オーケストラ団員の頂点の立場
で、オーケストラを音楽的にリードする人のことです。とりあえず2年間
は試用期間ですが、それでうまくいけばウィーンフィルの正式団員となり
ます。
コンサートミストレスは150年以上のウィーン国立歌劇場でも史上初
のことで、オーストリア国営放送や新聞、ブルガリアのメディアなどで大
きく取り上げられました。何年か後には、あのウィーンフィルのコンサー
トミストレスになれるかもしれない、という期待で、本人のみならず、ブ
ルガリア国民の胸は膨らんでいることでしょう。ウィーンフィルの中央に
女性が座っている姿なんて、ほんの10年前には想像すらできなかったの
ですから、ブルガリア人ならずとも、同じ女性として考えるだけでワクワ
クしてしまいます。
注目のヴァイオリニスト、Albena Danailovaさんはソフィア出身の33
歳で、これまでにロンドンシンフォニーのコンサートミストレス、ミュン
ヒェンにあるバイエル国立歌劇場の主席ヴァイオリン奏者も経験してお
り、ソリストや室内楽奏者として、ヨーロッパ内やアメリカでも演奏活動
を行ってきました。しかし、女性であること、ドイツ、オーストリア出身
でもなく、ウィーンで勉強したわけでもないことから考えると、いかに実
力や実績があるとしても、やはり誰もが驚く決定でした。
このニュースは世界中の女性音楽家を励ましたに違いありません。クラ
シック音楽界にとって、必ずや非常に大きな一歩となることでしょう。
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