Rafu Shimpo 広告
 お問い合わせ 購読申込 広告申込 English
Coming Soon!
ようこそ
ホーム
ニュース
スポーツ
地域
特集
催しスケジュール
コラム
羅府新報の歴史
編集部へのお便り
リンク
お便り
Photo Gallery

音楽の散歩道
女性の期待の星、誕生!
2008年5月24日

おがわ・ひろこ

小川弘子

神戸大学教育学部音楽科卒。同
大学院修士課程修了。専門はピ
アノ。歌曲、オペラアリアなど
声楽の伴奏を得意とする。97年
に渡米し教会、コミュニティー
団体などで伴奏している。

 一般的に、音楽の世界には国境も性差別もない
と言われますが、じつはまだまだ男性が主流なの
です。例えば指揮者。有名な人を思い浮かべよう
とすると、われらが小澤征爾さん、カラヤン、バ
ーンスタイン、クライバー、アバド、ラトル、ゲ
ルギエフ…と思いつくのは現役も故人もみな男性
ばかりです。そしてオーケストラ。数十人のメン
バーの大多数が男性というところも、この21世
紀でもまったく珍しくありません。

 その典型が、ウィーンフィルハーモニーです。
世界中からの非難の声に押される形で、初めて正
式団員として女性を採用したのは、1997年、
わずか11年前です。その後も徐々に女性を増や
しつつありますが、1842年の成立以来、オー
ストリア人、ドイツ人を中心とした白人男性のみ
で形成されていた歴史が長かったため、まだまだ
女性はほんの数人のみです。

 

 同じウィーンを本拠地とするウィーン国立歌劇場管弦楽団は、オペラの
伴奏をするためのオーケストラですが、その団員のほとんどがウィーンフ
ィルの団員も兼ねています。そのウィーン国立歌劇場管弦楽団で、今月8
日、ブルガリア出身の女性ヴァイオリニストが、コンサートミストレスと
して採用されることが決まりました。コンサートミストレスとは、女性の
コンサートマスターのことです。つまり、オーケストラ団員の頂点の立場
で、オーケストラを音楽的にリードする人のことです。とりあえず2年間
は試用期間ですが、それでうまくいけばウィーンフィルの正式団員となり
ます。

 コンサートミストレスは150年以上のウィーン国立歌劇場でも史上初
のことで、オーストリア国営放送や新聞、ブルガリアのメディアなどで大
きく取り上げられました。何年か後には、あのウィーンフィルのコンサー
トミストレスになれるかもしれない、という期待で、本人のみならず、ブ
ルガリア国民の胸は膨らんでいることでしょう。ウィーンフィルの中央に
女性が座っている姿なんて、ほんの10年前には想像すらできなかったの
ですから、ブルガリア人ならずとも、同じ女性として考えるだけでワクワ
クしてしまいます。

 注目のヴァイオリニスト、Albena Danailovaさんはソフィア出身の33
歳で、これまでにロンドンシンフォニーのコンサートミストレス、ミュン
ヒェンにあるバイエル国立歌劇場の主席ヴァイオリン奏者も経験してお
り、ソリストや室内楽奏者として、ヨーロッパ内やアメリカでも演奏活動
を行ってきました。しかし、女性であること、ドイツ、オーストリア出身
でもなく、ウィーンで勉強したわけでもないことから考えると、いかに実
力や実績があるとしても、やはり誰もが驚く決定でした。

 このニュースは世界中の女性音楽家を励ましたに違いありません。クラ
シック音楽界にとって、必ずや非常に大きな一歩となることでしょう。

 

>>コラム一覧
 

購入しよう

購読

 
ホーム | お問い合わせ| 購読申込| 広告申込
COPYRIGHT © 2008 LOS ANGELES NEWS PUBLISHING CO. ALL RIGHTS RESERVED
本ウェブサイト内に掲載の記事・写真の無断転用は一切禁じます。
すべての著作権は羅府新報社または情報提供者にあります。