兄の洋直さんは、「紙すきは生まれた時から家にあったもので、特に興
味もなかった」が、20歳のころ何となくやってみたところ、和紙作りの
奥深さを感じ、以来不思議なくらいはまってしまったという。「紙すきは
経験がものを言うため、数日やらなかっただけで手元がくるう。何事も続
けることがたいせつ。紙すきをやることで、自分も成長でき、精神力もつ
く」。また、海外でこれだけ多くの人が和紙に興味を示していることにつ
いて、「伝統文化が失われていく理由のひとつに、その文化を知らないこ
とが挙げられる。(実演など)こういう機会を増やすことで、少しでも多
くの人に知ってもらい、今から文化を受け継ぎたいと思っている若者のた
めにもパイオニアとなって土台を築いて行きたい」と話した。
弟の治さんは、紙すきを始め2年目。「物があふれ、何もかもが便利に
なった世の中だが、1枚にこれだけの時間をかけて作っているので、物を
粗末にしないということや、作るという大切さを和紙作りから学んでもら
えたら」と述べた。伝統文化が失われつつあることについては、「昔から
の手法を守りながら、現代に合わせ進化させていくべき」。将来は、「誰
もまねできない、1枚で芸術と思われるような紙を作りたい」と意欲を示
した。
2人はこの後、アイダホ州、モンタナ州、コロラド州を回り、同様に実
演を披露する。(中村、写真も) |