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日米文化会館:和紙すき職人が実演
日本の伝統に驚き

2006年9月16日

 国際交流基金ロサンゼルス事務所は10日、高知県から和紙すき職人を
招き、「講演会および紙すきデモンストレーション」を日米文化会館で催
した。会場には、ダウンタウンの地元アーティストをはじめ、日本文化に
興味のある老若男女200人が集まり、ミツマタ(三椏)から職人が丹精
込め、1週間かけ和紙を作り上げる行程を学ぶと、「和紙の見方が変わっ
た」と、驚きを隠せない様子だった。

 同イベントは、国際交流基金の日本文化を米国に伝える事業の一環。日
米文化会館、「ヒロミペーパーインターナショナル」共催。

Washi

ミツマタを手に取る参加者ら
 会場では、サンタモニカに和
紙の専門店「ヒロミペーパーイ
ンターナショナル」を開いてい
る片山ひろみさんの説明に合わ
せ、ビデオでジンチョウゲ科の
植物ミツマタを巨大な蒸し窯で
蒸し、職人や婦人らが手で丁寧
に皮を剥き、その皮を干し、洗
い、茹で、叩き、のりを混ぜ1
枚1枚紙すきしながら和紙にし
ていく行程が紹介された。参加
者らは「1枚作るのにこんなに
多くの時間と労力が必要だとは知らなかった」「和紙や職人に対する感謝
の気持ちが高まった」「和紙作りが日本の自然と調和していることに感銘
を受けた」など、驚きと感動の声を上げ、質問が飛び交うなど、米国内で
の和紙の人気を物語っていた。

Washi

紙すきを披露する浜田治さん

 上映後、会館前の広場で行われたデモンス
トレーションでは、紙すき職人で人間国宝の
浜田幸雄(さじお)氏の孫で、紙すき職人の
浜田洋直さん(29)と弟の治さん(26)
がそれぞれ紙すきを実演。2人の腕の動き
や、均一に薄い和紙ができ上がる行程を目の
当たりにし、会場は終始どよめいた。

 兄の洋直さんは、「紙すきは生まれた時から家にあったもので、特に興
味もなかった」が、20歳のころ何となくやってみたところ、和紙作りの
奥深さを感じ、以来不思議なくらいはまってしまったという。「紙すきは
経験がものを言うため、数日やらなかっただけで手元がくるう。何事も続
けることがたいせつ。紙すきをやることで、自分も成長でき、精神力もつ
く」。また、海外でこれだけ多くの人が和紙に興味を示していることにつ
いて、「伝統文化が失われていく理由のひとつに、その文化を知らないこ
とが挙げられる。(実演など)こういう機会を増やすことで、少しでも多
くの人に知ってもらい、今から文化を受け継ぎたいと思っている若者のた
めにもパイオニアとなって土台を築いて行きたい」と話した。

 弟の治さんは、紙すきを始め2年目。「物があふれ、何もかもが便利に
なった世の中だが、1枚にこれだけの時間をかけて作っているので、物を
粗末にしないということや、作るという大切さを和紙作りから学んでもら
えたら」と述べた。伝統文化が失われつつあることについては、「昔から
の手法を守りながら、現代に合わせ進化させていくべき」。将来は、「誰
もまねできない、1枚で芸術と思われるような紙を作りたい」と意欲を示
した。

 2人はこの後、アイダホ州、モンタナ州、コロラド州を回り、同様に実
演を披露する。(中村、写真も)

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