そんなある日、カリフォルニア生まれの老ガーデナー(庭師)、帰米2
世のマス・アライのもとに突然、ニューヨークに住んでいる娘・マリから
電話がかかる。マリとは長らく疎遠がちで父子のコミュニケーションは良
いとはいえなかったが、オーウチ殺しの疑いが娘にかけられていると知ら
され仰天する。
普段は、働き者で寡黙な性格のマス・アライ。一方、子供のころのマリ
は、ちょっと目をはなすと何をしでかすか分からない活発な性格。ガサガ
サとあちこち動き回っていた娘を「ガサガサ・ガール」とマスは呼んでい
たのだが、そんな娘の窮地を救うため、仕事は二の次にして、果敢に真犯
人探しに没入していく。
アメリカ生まれで、広島で被爆した帰米2世のマス・アライが、事件を
解明していく過程でみせる日本人的な物の見方、考え方、さらに日系人社
会の歴史や、現実に起きているさまざまな事象を物語の要所要所にちりば
めて、独特な味わいのあるミステリー小説に仕上げている。
「ヒラハラは、人間の持つ素直で純粋な感情や心の交流を、ストーリー
の展開に応じて情熱的に描き出している」と、シカゴ・サンタイムズの書
評欄も高い評価を与えている。
マス・アライ事件簿シリーズの第三巻「Snakeskin Shamisen」(20
07年度エドガー・アラン・ポー賞最優秀ペーパーバック賞受賞作)の日
本語訳も4月、小学館から発売される予定。7月には韓国でも翻訳出版さ
れる。
90年代に英語編集長として活躍したヒラハラさんは、パサデナ市の生
まれで、現在はサウスパサデナに住み、ノンフィクション、ミステリー分
野の作品を精力的に執筆している。日本語の読み書きも堪能な3世作家。
「ガサガサ・ガール」は当地の日系各書店でも注文できる。
(石原 嵩)
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