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映画「筆子・その愛ー天使のピアノ」を監督した
山田火砂子さん
2007年11月24日



東京生まれ。多数の児童福祉や
知的障害者を題材にした作品を
手がけ、今作と前作「石井のお
とうさんありがとう」で児童福
祉文化賞を連続受賞。著書も多

 「知的障害児教育の先駆者の功績を世に知
らせたい」—そんな思いで作り始めた映画
「筆子・その愛—天使のピアノ」。

 容姿端麗で聡明な主人公・筆子役に、実力
派女優・常盤貴子さんを切望。出演交渉では
難色を示した相手事務所に「筆子を教科書に
載せたい」と熱い思いをぶつけ説き伏せた。
ドラマで聴覚障害者のガールフレンド役と、
身体障害者(車椅子)の役を演じた経験があ
り、福祉の心を持つ常盤さんが「適役」を見
事にこなしてくれたと喜ぶ。

 長女・美樹さんが重度の知的障害者で、筆
子と同じ境涯を生きる山田監督。「娘が障害
者でなければ、映画を作っていなかったし、
キリスト教徒にもなっていなかった」。多く
がしつこく勧誘に迫ったが、自らの意思で信
仰できたのはキリスト教だけだった。

 

 「映画はおもしろく作るもの」が持論。観客には「喜び、泣き、拍手
し、楽しんでもらって帰ってもらいたい」。障害児の福祉をテーマにした
3作品のすべてに喜怒哀楽が、うまく表現されている。元は舞台女優。亡
くなった夫・典吾さんの勧めでプロデューサーに。受け身な女優業に対し
「制作は思ったことが何でもできておもしろい」。性に合っていた。

 「映画には人を変える力がある」。鑑賞者から「人生が変わった」との
感想がもらえるのがうれしい。「映画を通じて世の中を正したい」と、私
財を投じてまでも制作に打ち込む。依然、ダウン症や障害者を「化け物」
扱いされることに憤る。「障害者に偏見を持つ日本を変えたい。そんな人
が1人もいなくなるまで、映画を作り続ける」と闘志に燃える姿は、とて
も75歳とは思えない。

 「障害者の母が強いのは、子どもを守るために必死だから」と力を込
め、「44年間、障害児の母を務めている」と胸を張る。今回の渡米では
「JASPACC」(日本語による障害児の親の会)や「ダウン症協会」
とも交流を深め、横のつながりが持てることが楽しみ。

 「健常児と障害児は分けてはならない。ともに暮らせる環境作りが必
要」と強く訴える。「障害者の心はとても清らか」—映画から感じてもら
いたい。(潤、写真も)

 

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