言うことを聞かないローリーさんを、「父は殴るようになった」。暴力
で自由を奪う父、規律で縛る学校、受け身の母、すべてに腹が立ち、気が
つけば感情をコントロールできない怒り狂った性格に豹変していた。その
ころ、付き合っていた男性からデートレイプ。「すべてを失ったと思っ
た。もう何もかもがどうでもよくなってね」
それからは早かった。カーソン基盤のフィリピン系ギャングに入り、抗
争で怒りをぶちまけた。16歳で施設へ送られ、17歳の誕生日は監禁の
中で迎えた。その年、ギャングリーダーと結婚、「身の安全」を手に入れ
た。麻薬を始め、気付けば自殺未遂を繰り返すヘロイン中毒。20歳 でラ
イバルギャングから銃撃。麻薬とお金ほしさに売春を始めたのもこのこ
ろ。ボロボロになり、行き着いた場所はダウンタウン・スキッドロウ。妊
娠5カ月半だった。
ローリーさんを救ったのは、文字通り「目に見えない力」。「頭の中に
はっきりとイエス様の声が聞こえたの」
周りを見てごらんローリー。ここで私に仕えなかったら、身元不明の麻
薬中毒者としてこの路上で死ぬよ—
生まれて初めて感じる恐怖。「IDを持ってなかったし、本当に身元不
明で処理されていたと思う」
以来、麻薬は一切絶った。自身の経験を生かし、ダウンタウンのドリー
ムセンターでホームレスや売春婦に救いの手を差し伸べる。「必ず返事を
するから」と、ウェブサイトも立ち上げた。2年前には運命の人に出会い
結婚。今は2人で救済活動に励む。
「私が過去を話すことで、多くの人に勇気を与え、苦しむ人を救えた
ら」
ホームページは—
www.laurieishii.com
(中村、写真も) |