太鼓修業は名門「鬼太鼓座」(おんでこざ)で積み、「秀明太鼓」(滋
賀)で腕を上げた。1984年の欧州6カ国ツアーを皮切りに、数々の大
きな国際舞台を踏んだ。「太鼓が持つ『日本の精神』を海外で伝えたい」
と思いを募らせた。
しかし、「突発性難聴」に襲われた。昨年末に人気歌手浜崎あゆみさん
が告白したものと同じ奇病で、右耳の聴力をほとんど失った。音に対する
抵抗感から20年間握り続けたバチを置かざるを得なくなり、ショックで
落ち込んだ。
止むことのない耳鳴りにはひどく悩まされたが、幸いにも発症後3年し
て快方に向かった。7割方回復し、一度は諦めた米国移住を決断。苦悩し
た闘病だったが、逆に「精神鍛錬」となり今の自分を支えている。
太鼓を打つ「技術面」の重要性を認めつつ、「神」に通じるという「精
神面」を力説。06年から、発案したプログラム「Taiko Awaknig
Spirit」で奥義を伝授する。「太鼓は人々の心を響かせ、人生をも変え
る」が信念。
受賞作はアルバム「クレストン」。残響音を追い求め重い機材を馬に積
み、コロラドの標高3600メートルの山を七時間かけて登り、レコーデ
ィング。1週間のテント生活を送った。「美しい音楽を作りたい」という
ウィンターさんの情熱には敬服した。
「これからも同じ志を持つミュージシャンと手を組み、心を癒す音楽を
聴かせ、人々の精神的成長の役に立ちたい」
(永田潤、写真も)
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