まず単純に言葉の意味から見てみましょう。〈軒端〉は〈のきば〉と歌
っていただけではわかりませんでしたが、漢字で書いてみると一目瞭然で
す。〈砂子〉は広辞苑によると、「①すな。まさご。②金銀箔の粉末で、
蒔絵または画面・短冊・色紙・襖絵などに吹き付けるもの」とあります。
この場合は、空いっぱいに輝く星が、まるで金銀砂子のように見えるとい
う比喩的表現でしょうか。〈5色〉とは、中国古来の思想からくるもの
で、緑、赤、黄、白、黒の5つの色を表します。何でもいいから5種類の
色、というわけではありません。
では、なぜ笹の葉なのか? はっきりしたことはわかっていませんが、
天照大神が天の岩戸にこもってしまった時、技芸の神である天鈿女命(あ
めのうずめのみこと)が笹の葉を手に持って踊ったと、「古事記」や「日
本書紀」に書いてあるほど、古くから笹というのは神聖なものと考えられ
ていたことが無関係ではないと思われます。実際に笹を七夕に用いるよう
になったのは江戸時代のことで、紙の短冊もその頃からのようです。それ
までは、梶の葉の裏に和歌を書いていたそうです。その際に、里芋の葉に
たまった露で墨をすると、字が上達するといわれていました。
なぜ、「七夕」と書いて「たなばた」と読むかを簡単に言うと、古くか
ら伝わる「棚機女(たなばたつめ)」という機織り女性の伝説と、中国か
ら来た牽牛星、織女星の年に一度の逢瀬のお話がうまく交じり合い、旧暦
7月7日の夕方がこの行事のクライマックスに当たることから、漢字と読
みをあてはめたということです。ちなみに「しちせき」ともいいます。こ
ちらの方が納得の読み方ですね。
同じ日に、京都の北野天満宮では、御手洗祭(みたらしさい)という菅
原道真にちなんだお祭りが行われ、みたらし団子をお供えすることから、
七夕の日にこのお団子を食べる風習があるそうです。次回、七夕のお飾り
をするときには、願い事をしながら「たなばたさま」を歌うだけでなく、
みたらし団子も食べましょう。菅公のように文芸が上達するかもしれませ
ん。
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