じつは、数年前にストリープ自身がこの作品の舞台版を娘と見に行き、
あまりの楽しさに大いに興奮し、1人のファンとして舞台監督に手紙を書
いたのです。このことをよく覚えていた監督が映画化をするにあたり、
「もしかしたら、出てもらえるかもしれない」という淡い期待を持ってこ
のオスカー女優に恐る恐るオファーをしたところ、喜んで引き受けてもら
えたとか。ストリープは各種のインタビューでも、どんなに撮影が楽しか
ったかを語っています。
とはいえ、ダンスの特訓は大変で、毎日クタクタに疲れきって「もうダ
メ〜」と思う日が続いたようですが、画面からはまったくそんなことは感
じられません。専門家から見るといろいろと言いたいこともあるのかもし
れませんが、映画を楽しんでみるのにそれは必要のないこと。歌の方は、
特に女優陣は大健闘しています。ストリープのみならず、娘ソフィー役の
アマンダ・セイフライド、親友役のジュリー・ウォルターズとクリスティ
ーン・バランスキーもとてもよく歌っています。実は、映画を見る前は、
たぶん〈口パク〉で他の歌手が吹き替えをやっているのだろうと思ってい
たのですが、どの場面も俳優たち自らが歌っているのです。これはかなり
の驚きでした。
大ヒットしてから30年経ったにもかかわらず、まったく古さを感じさ
せないABBAのヒット曲の数々、ギリシアのそれはそれは美しい景色、
深刻になることのないシンプルなストーリー、娘役のセイフライドの可憐
さなどなど、楽しむ要素が作品のあちらこちらにちりばめてあり、最初か
ら最後まで全く飽きさせません。歌の好きな方、夏休みは子供向けの映画
ばかりが多いとお嘆きの方、暴力や撃ち合いの映画は好きになれない方、
何より楽しいことの好きな方に、ぜひこの「Mamma Mia」をお勧
めします。
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