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「硫黄島 日本人捕虜の見たアメリカ」:
マスヤマさんが著書
父の見たアメリカを追う


2008年10月11日

 ビジネスコンサルタントを務めるバイセリア在住のマイク・マスヤマさ
ん著の「硫黄島 日本人捕虜の見たアメリカ」がこのほど、ハート出版か
ら刊行された。

 硫黄島で生き残り米軍の捕虜となった著者マスヤマさんの父、増山義邦
さんは1944年、5歳違いの弟と間違われ38歳で招集、硫黄島に配属
された。45年4月、硫黄島の洞窟内でアメーバ赤痢と栄養失調でひん死
の状態から抜け出すため、塹壕から外に出たところを米軍にとらえられ、
捕虜となった。

 その後、グアム、ハワイ、サンフランシスコを経て、本土を横断、数々
の収容所を経てバージニア州フォート・ユーテス収容所まで連れて行かれ、
46年1月、戦争捕虜を意味する「PW」(当時はPOWではなく、PW
と称された)の文字が背に書かれたシャツを来て、横須賀市浦賀港で解放
された。

 9カ月間にわたる捕虜生活で、義邦さんが見たアメリカとは—。初めて
触れる異文化体験とは—。捕虜としての生活とは—。息子であるマスヤマ
さんが、生前義邦さんから聞いた話、義邦さんが残した手記や米国から持
ち帰った当時の新聞や雑誌の切り抜き、また日本へ移管された米軍捕虜記
などをたよりに、「なぜ父は生き残ったのか」「父のユニークな経験から
学ぶ教えは何か」「日本とは、アメリカとは」といった疑問を解きほぐし
ながら、捕虜であった父親が見た外国「アメリカ」を鮮明につづっている。

 出版においてマスヤマさんは、「戦争、捕虜という概念を覆す真実が明
らかになった」といい、生前あまり多くを語らなかった義邦さんが口ずさ
んでいた、「日本の外には別世界がある」との言葉を胸に、「父の見たア
メリカを見たい」と69年に渡米。当時と今のアメリカを重ね合わせなが
ら、義邦さんが残した次世代へのメッセージを1冊の本にまとめた。

 同書は、紀伊國屋および旭屋書店など、大手日系書店で扱っている。全
302ページ。(中村良子)

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