第2次世界大戦の第100大隊や第442部隊などに所属した日系2世兵の活躍を後世に伝えるために1989年に設立された「ゴー・フォー・ブローク・ナショナル教育センター」が今月で20周年、99年に建立された記念碑が10周年を迎え6日朝、小東京に建つ同碑を参列者約300人が囲み記念式典を行った。席上、碑の後方に建設予定の同教育センター本部のコンセプトが発表された。
 日系人俳優のジョージ・タケイ氏が司会を務め式典を進行。クリスティン・サトウ・ヤマザキ同教育センター長があいさつに立ち、2世兵の活躍が遺産であることを強調、新センターでの教育プログラムの拡充に意欲を示した。
ゴー・フォー・ブロークの式典は毎年開かれており、日系退役兵士の高齢化により、参加者数は徐々に減ってきている。だが、今年も元気にその勇姿を現した。1人ひとりに、レイが掛けられ大きな拍手を浴びた。また、戦地で亡くした友に花を捧げ、英霊を慰めた。
 ルシール・ロイバル・アラード下院議員(ロサンゼルス・ダウンタウンを含む第34選挙区選出)が基調講演を行った。同議員は、日系退役兵士を「国家のために戦い犠牲になった」と称え、兵士の活躍の記録・保存と教育に務める同センターの役割の重要性を説いた。センター設立と、記念碑建立の節目に祝意を表しながら、新本部を拠点にしたさらなる教育事業の充実に期待を寄せた。
 新センターは、来年秋着工を予定し2012年夏の完成を目指す。1万5000平方フィートの施設には、記録の展示や教育者の研修スペースが設けられる。現在の記念碑の裏面には約1万6000人の兵士の名前が記されているが、その壁面の対面にみかげ石の壁(レガシー・ワォール)を建てて第2次大戦に赴いた日系兵士1万5000人の英雄の名を新たに刻む。