先日思いがけなく、もやしのインターナショナル・コンベンションのもやし料理昼食会に招待された。
 「もやしのコンベンション」などというと、みんな一様に「えっ?」と聞き直し笑い始める。「もやしくらいで国際会議が開催できるのか」と言うのが大方の反応だが正確に言うと「インターナショナル・スプラウツ・グローワーズ・アソシエーション」という協会がロード・アイランドに存在し、健康食品としてもやしをはじめ、貝割れ大根、ブロッコリ・スプラウト、アルファルファなどの普及に努力している。
 前置きはともかく、ここで出会った3人の日本女性を紹介したい。
 まずこの昼食会の料理をコーディネートした料理研究家の川上すみよさん。東京国立市でアンティーク・ショップ「アントンカール」を経営し、西洋の家庭料理教室を開き、昨年からは週2日開店の喫茶部をオープン。そしてこの日はホテルのシェフを指揮して70人の昼食を調理、と猛烈な仕事ぶり。しかし彼女の口をついてでた言葉は「お年寄りのために、安くて簡単で、栄養があって美味しい料理を作りたい」と優しい。
 そしてこの川上さんに食材のスプラウツを提供している成田食品副社長の佐藤ヨシエさん。同社は創業60年。一日に350トンともやしの生産量日本一だそうだ。「うちのもやしは根を切ってあるので新鮮さが長持ちします。栽培は水だけで添加物なし」と胸を張って語る。
 最後がこの成田食品に包装資材を一括納入している福一屋の安斎千代子さん。商品を市場に出す時、品質はもちろんだがパッケージが大きくものをいう。「日本のもやしは清潔です。包装を開ければすぐに調理していただけます。アメリカのマーケットも視察しましたが、衛生面がちょっと心配。あれでは随分細菌が繁殖すると思いますよ」という意見。
 一昔前まではコンベンションで見かけた日本人はほとんどダークスーツの男性ばかりだったが女性の活躍を目の当たりに見た思い。
 SPROUTの動詞は「芽を出す。成長する」まさに萌え出ずる女性パワーである。
 最後に、6種のもやし料理はいずれも美味、ご馳走さまでした。【川口加代子】

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