加州は現在、いまだかつてないほどの水不足に見舞われている。2006年には70%ほどあった貯水率も、08年には約半分に。その後も減り続け、09年から現在にかけ、貯水率は3分の1程度と危機的な状況が続いている。事態を重くみている州は、「Save Our Water」「Be Water Wise」などといった節水を呼びかけるキャンペーンに力を入れている。
 州によると、水不足が深刻化した原因は①干ばつ=07年と08年に記録的な乾燥状態が続き、09年も平均以下の降雨量を記録した②環境問題=加州に運ばれる水の経路にあるデルタ地帯には、連邦絶滅危惧種保護法で定められた魚や生物が生息しており、連邦政府により運搬可能な水量に制限が設けられている③人口増加=09年現在加州の人口は3600万人以上おり、年々増加。2050年までに6000万人に達するとも言われており、水の運搬システムが人口増に追いついていない④気候変動=地球温暖化などで降雨量や降雪量が減少傾向にあり、加州の水量に影響を及ぼしている―などで、州民による節水の協力なくしてはもはや乗り越えられない問題であると危機感を募らせている。
 節水キャンペーンの一つ「Be Water Wise」では、今日からできる節水リストを掲載している。それによると、▽水を出しっぱなしで歯磨きをしない(1日3ガロン節水)▽シャワーの時間を1、2分縮める(1日5ガロン節水)▽水漏れを修理(1日20ガロン節水)▽洗濯機は満杯になってから回す(1回15―20ガロン節水)▽蒸発や風による飛散を避けるため、水まきは午前8時前にする(1日25ガロン節水)▽道路などの掃除はホースを使わずほうきで行う(1回150ガロン節水)▽スプリンクラーの水漏れを修理(1カ月500ガロン節水)。
 「ちりも積もれば山となる」。一人ひとりの小さな心がけが、大きな成果を生むことができるかもしれない。まだ試していない人はぜひ、今日から始めてみよう。
 ホームページは―
 www.bewaterwise.com
【中村良子】

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