「子どもたちの笑顔を見るとやめられない。野球の素晴らしさを伝え続けたい」
 

東京都出身。元プロ野球選手、監督。通算本塁打数は世界記録の868本。WBCでは監督として日本を初代王者に導いた
王さんは現役引退後、自らの野球人生を生かし、今度は世界中の子どもたちに野球の楽しさを伝えようと、友人のアーロンさんと共にWCBFを続けてきた。
 アーロンさんとも久しぶりに会い、「今回のアメリカ訪問の目的のひとつにハンクさんと会うということがあったので、果たせてうれしい」と再会を心から喜んだ。
 30年来の付き合いになるアーロンさんとは、自宅にも招待される仲。アーロンさん宅を初めて訪れた際、日米の家の大きさの違いに驚いた話など、当時の思い出話に花を咲かせた。また「久しぶりに再会し、ハンクさんが自宅の庭にある池で釣りをするというエピソードを話してくれた時のことも思い出しました」と笑顔を浮かべる。
 杖をついて歩くアーロンさんを終始気づかい、その眼差しには同じ野球人生を歩んできた同志に対する敬意が浮かぶ。
 「私の功績を聞かれれば、それは今まで日本に来たことがなかったハンクさんが日本に来て、日本のファンにホームランを見せてくれたこと」。また同時に「彼のホームランを日本のファンと共に見られたことが私にとっても最高に幸せな瞬間だった」と、日米野球で訪日しホームラン競争を行った時の感動を思い起こす。
 大リーグに挑戦する日本人選手が増えていることに対してはこう語る。「私の現役時代は大リーグは現実のものではなかった。しかし今は違う。道は切り開かれた。やれる人は思いきって挑戦すべき」だと。
 同大会に参加した子どもたちが王さんのように、いずれスター選手として、夢の大舞台でホームランを打つ日は近いかもしれない。【吉田純子、写真も】

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