チームメンバーが応援する中歌う中野範明さん。「日本がんばれ」と被災地を応援する気持ちが込められた
 日系コミュニティーの年始め行事のひとつ「第41回米国版紅白歌合戦」(田村勇三委員長)が8日、小東京の西本願寺羅府別院会館で行われた。紅組、白組から各15人、合計30人の歌手が出場し、自慢の歌声を披露。接戦の末、2012年の勝利の女神は107対105で紅組に微笑み、新年の幕開けにふさわしい豪華な舞台となった。
サンフランシスコから出場した紅組の坂本幸恵さん
 立ち見席がでるほど満員となった会場は、出場者の力のこもった歌と演出で活気に満ち溢れた。白組からの出場者のひとり、山路ジャーニーさんが装飾を手掛けた舞台には、今年の干支である「龍」と書かれた凧と、戦国武将が描かれた色鮮やかな凧が飾られ、華やかさを演出した。
 あいさつに立った田村委員長は、「41回目となる今年も多くの人に支えられ盛大にこの日を迎えることができた」と会場に集まったすべての人に感謝の気持ちを述べるとともに、来場者のこれから始まる1年の健康を願った。
 今年は昭和の歌謡界を代表する作曲家、古賀政男氏の音楽文化振興財団(植木浩理事長)の好意で、紅白に「古賀政男記念賞」が加わり優勝チームに贈呈された。昨年初めて米国版紅白を見た植木理事長は、出場歌手の歌唱力の高さと、ロサンゼルスでも多くの人が日本の歌謡曲を今も愛し、後世に伝えようとしていることに心を打たれ、同賞の寄贈を決意。「海外にも日本の素晴らしい歌の数々を広め、米国版紅白を今後も応援していきたい」と力を込めた。
 歌合戦の前半は白組優勢だったが、後半で紅組が巻き返しを図った。昨年の覇者白組から優勝旗を奪い返した紅組キャプテンの福田奈津子さんは、出場歌手の健闘をたたえるとともに、「紅組が勝ち続けられるよう来年も頑張りたい」と語り、勝利を喜んだ。【吉田純子、写真も】

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