メトロのリージョナルコネクター事業(メトロレール接続)で、同設計製作委員会(Planning and Programming Committee)は15日、環境アセスメント(EIS/EIR)最終版をメトロ理事会に提示、理事会は23日に最終決議する。
メトロ本社で開かれた設計製作委員会のミーティングでは、ディエゴ・カルドソ事務局長、ドロレス・ロイバル・サルタレリ事業マネジャーが出席し、理事を前に事業内容とEIS/EIR最終版をあらためて説明した。
カルドソ事務局長は、同接続の建設により1日約80万人の利用が見込める他、乗り換えの回数が減ることにより乗車料金の節約、また移動時間の30%削減が可能になると強調。前日に連邦交通管理局(FTA)から発表された報告書に、同事業が「全米で最も費用効果の高い事業である」と称賛を受けたことに触れ、今後ロサンゼルス郡にとって同接続が重要な路線になると述べた。
公聴会の前に、理事会メンバーのドン・クナべ郡参事、ホゼ・ウイザー市議、グロリア・モリーナ郡参事、マーク・リッドリー・トーマス郡参事らを代表し、ダイアン・デュボア議長が同事業の小東京に及ぼす影響に触れ、長期にわたる工事期間中に歴史的なコミュニティーを傷つけることのないよう、メトロに今後もコミュニティーとの直接対話を続けるよう異例の助言をした。
公聴会では、日系社会から小東京協議会(LTCC)のメンバーらが代表で意見を述べ、主に①工事中に必要なビジネスマーケティングのための費用②工事中に発生した損害に対する迅速な補償(14日以内)③シャトルバス起用などといった駐車場問題対策―の3点をあらためて訴えた。LTCCの瓦谷幸雄さんは、検討されているシャトルバスのルート案を提出した。
一方、ジャパニーズ・ビレッジ・プラザのオーナーを代表し、ベンジャミン・ハネリン弁護士が意見を述べ、鉄道開通には反対していないと前置きした上で、プラザのほぼ真下に地下駅が設置されることから①地下駐車場建設などといった将来の開発事業に影響を及ぼす可能性②騒音や振動問題③ビジネスに対する補償と駐車場問題―の懸念事項を提出し、引き続き話し合いを続けるため23日の理事会を延期するよう訴えた。
また、ファイナンシャル・ディストリクトからはあらためて、工事手法「カット&カバー」や工事中のビジネスへの影響に対し懸念の声が出された。
メトロ理事会はこれら一般からの意見も含め、23日にEIS/EIR最終版の最終決議を下す。詳細は―
www.metro.net/projects/connector/
【中村良子、写真も】