パサデナセミナー会(半田俊夫会長)は、絵本作家、川柳の選者として活躍する関三脚さん=写真=を講師に招き「北米川柳道しるべ」―喜怒哀楽の日系百年史―と題した講演会を15日(日)午後2時半からロサンゼルス・ダウンタウンの南加日系庭園業連盟会館(333 San Perdo St.)で催す。日系の先人が遺した川柳を通して当時の世相を解説する。                          
 最初の北米川柳会が作られて100年がたつ。関さんは、この1世紀におよぶ日系史の歩みの中に埋もれている川柳の一句一句を味わい深い解説とともに編さんした。
 講演では、当時の古い写真などスライドを使って見せながら、汗と涙と笑いの川柳で先人たちの一歩一歩の足跡をたどる。関さんの著書「北米川柳道しるべ」に掲載された腹の底から笑える句、心に沁(し)みる句などを紹介。関さんは「先人のしたたかで、奥ゆかしく、危なっかしいけど同情を禁じえない日常を追体験しよう」と来場を呼び掛けている。
 次は、関さんが編さんした著書からの作品。
(立退き・大統領令9066号)
忘られぬ我が家見送りバスに乗り
(サンタアニータ競馬場・仮収容所での馬小屋川柳)
馬小屋に住んでニンジン食わされる
(強制収容所)
ドラフト(徴兵)の記事を見る子に不安に居
(帰還・出直し)
子と孫を博士にさせたローンモアー
いずれ皆 国籍問わぬ土になる
 講演の会費は一般10ドル、学生5ドル。収益はすべて、日系の非営利団体に寄付される。
 詳細は半田さんまで、電話626・795・1636。メールー
 pasadenaseminar@gmail.com
 www.pasadenaseminar.us
関 三脚さん
 本名弘高。三脚は柳名で、職業名がサニー関。1947年東京生まれ。日本大学写真学科卒。71年渡米。サニー関写真館を30年経営。羅府新報の「ラフ戯評」月間賞の常連となった後、川柳を山中桂甫、花見留雄氏に師事。「羅府川柳」選者。
 2007年「川柳に残るガーデナー風雲録」を南加庭園業連盟より出版、反響を呼ぶ。11年「北米川柳道しるべ」―喜怒哀楽の日系百年史―をパイオニア川柳吟社より出版。川柳から見た日系人の歩みを、多くのインタビューにも基づきユーモアを交えて解説する。パサデナセミナー会、横浜移民資料館JICA、全米日系人博物館などで講師をつとめる。
 写真館閉館後、絵本作家に転身した。妻と子ども9人の大家族。
 ウエブサイト―
 www.sunnyseki.com

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