ビバリーヒルズ高校下を通過するルートが決まったパープルライン地下鉄延長線

 メトロ理事会は24日、「パープルライン地下鉄延長事業」のラシエネガからセンチュリーシティーまでの2期工事で、地元住民から強い反対があったビバリーヒルズ高校下を通過するルートを7対2で承認した。ウエストウッドまでの3期も承認され、同事業は連邦交通管理局の承認を経てデザイン段階へ入り、早ければ来年秋に着工する。
 同事業は、コリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅が終点のパープルラインを西に8・9マイル延長し、ダウンタウンとウエストウッドを約25分で結ぶ。ラシエネガまでの1期は2022年、センチュリーシティーまでの2期は26年、ウエストウッドまでの3期は36年に開通予定。週平均4万9300人の利用客を見込み、予算は56億ドル。住民投票で可決された提案Rから捻出される資金で建設される。
 地下鉄のルートをめぐっては、サンタモニカ通り周辺に存在する活断層を避けるため、メトロはビバリーヒルズ高校の下を通過し、センチュリーシティーのコンステレイション/アベニュー・オブ・ザ・スターズに駅を建設する案を提案。これに反発したビバリーヒルズ統一学校区や周辺住民らは、独自に雇った地質学者から出された「トンネル工事は学校や建物に悪影響を及ぼす可能性がある」との結果を提出、メトロの調査結果と対立していた。
 メトロは4月の理事会で2期、3期の事業承認を延期、臨時公聴会を開くなどビバリーヒルズ住民との対話を持ったが、最終的に国際的に著名な地質学者による「活断層のあるサンタモニカ通りルートは危険。高校下の地下鉄工事は安全」との結果を承認した。
 反対票を投じたのは、マイク・アントノビッチ郡参事とジョン・ファサナ・デュアルテ市長で、両氏ともに「さらなる安全調査が必要」と訴えていた。
 同事業の詳細は―
www.metro.net/projects/westside/
【中村良子】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *