先日、気の合う友人と、最後のフォアグラを食べに行った。7月1日から全米で初めてカリフォルニア州でフォアグラの販売、製造などが禁止される。メニューにも「Farewell Foie Gras」と書いてある。5コース全てフォアグラ尽くし。
フォアグラのガスパッチョフォアグラのラビオリ、フォアグラのソテー、ステーキ、フォアグラのアイスクリームという内容。量も少なめ、しつこくなく、全て美味しくいただいた。友人がオーダーした、キャビアがふんだんに載っているピザも一切れ食べたが、これもクリームフレッシュとチャイブがさっぱりしていて、大変美味しい。プロセッコ(スパークリングワイン)との相性も抜群。
二人とも、普段は仕事、家庭、育児とそれぞれ忙しいが、つかの間の休憩だ。独身時代はよく流行りの場所に出入りしたが、子供が生まれてからは、多少騒いでも許してもらえそうな、ファミリー向けレストランしか行く機会がない。時には少しドレスアップして、雰囲気やサービスのよいレストランに行くのも気分転換になる。
食事中の会話も、仕事や家庭、お互いの子供の話などで盛り上がった。お互い、出産後3カ月の育児休暇の後仕事に復帰し、共働きの環境で、パートナーと家事、子育てなど分担しながら働いてきた。外出先では人目につかないところで搾乳したり、子供の病気でアポイントメントの調整にひやひやしたり、子供が小さい時期にはいろいろなことがある。それでもなんとかやってこられたのは上司やパートナー、周囲の助けがあったから。
先日、日本から来たばかりの社長に「産後3カ月で職場復帰はアメリカでは普通」と話したら「日本ではあり得ない!」とかなり驚いていた。確かに日本の育児休暇は最長1年で、一定の給料も保証されているが、企業にとってもなるべく早く復帰してくれたほうがいいだろうし、実際1年も職場を空けているとブランクを取り戻すのが大変ではないか? もちろん出産直後は体力的にも精神的にも大変な時期なので、職場、家庭でのサポートは不可欠。これからの少子化時代、女性にとってもっと働きやすい社会に工夫することが大切ではないだろうか。【下井庸子】