レシーブを行うミヤシロ選手
ピンチサーバーとして相手コートに正確にボールを打つミヤシロ選手(写真=木村一也)
 「オリンピックに出たい」―そんな大きな夢を子どもの頃から抱き、叶えたハワイ出身、沖縄系4世のタマリ・ミヤシロ選手(25)。女子バレーボール米国代表として2010年から活躍を続け、五輪最終メンバーに選ばれた。初の五輪に向け「国の代表として精一杯プレーして、メダルを持ち帰りたい」と意気込む。
 7歳でバレーボールを始めたミヤシロ選手。父ゴードンさんはノーザンミシガン大でアメリカンフットボール、母ジョイさんはハワイ大でバレーボールを、4人の兄姉もバレーボールやさまざまな競技をするなど、恵まれた環境のスポーツ一家で育った。
 身長170センチとバレー選手としては小柄。だが、中学、高校で才能を開花させ、チームを引っぱり大きな大会で優勝に導いた。ハワイ屈指の万能選手はワシントン大に進学し、本来のポジションのセッターから大学2年の時にリベロ(ディフェンス専門で、1人だけ違った色のユニホームを着用)にコンバートされ、実力を伸ばした。スパイクレシーブ、サービスレシーブの数々の学校記録を打ち立てた。卒業後は渡欧してプロリーグで腕を磨き、米国代表入りを果たした。現在は、ポーランドのクラブチームに籍を置く。
 母ジョイさんによると、ミヤシロ選手は小さい頃から身体能力が抜群で、負けん気が強く、勝つために努力を惜しまなかったという。ジョイさんは五輪について「ロンドンには行かないけど、ハワイに帰って家族とテレビを見ながら応援したい」と話し、娘のひのき舞台を心待ちにする。
チームメイトと得点を喜ぶミヤシロ選手(右)
 代表チームでは、控えのセッターとして出番を待つ。セット終盤での大事な場面での起用が多く、接戦の時にはピンチサーバーを任される。サービスエースを決めて試合の流れを引き寄せるなど、ここ一番という時に実力を発揮する勝負強さには定評がある。
 五輪出場という夢を叶え「国を代表してオリンピックに行くことができ、とても光栄で特別な気持ちを持っている」。本番を目前に気持ちは高ぶっており「一流の選手が4年に1度集まる世界で最高のステージなのでレベルが高く、1セット1セットを大事にして勝ち、表彰台に立ってメダルをもらいたい。ハワイを出てからこの7年間は、バレー一筋の人生を送り、苦しい練習に耐えてきた。オリンピックでは、その報いがきっと来ると思う」【永田潤、写真も】
正リベロ(右)のデービス選手と作戦を練るミヤシロ選手

【写真左】チームの得点を喜ぶミヤシロ選手【同右】ミヤシロ選手はロンドン五輪でのメダル獲得を誓った

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1 Comment

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  1. 彼女が’ワシントン大学で活躍していた比から試合を見てます。
    彼女のプレイは本当にかたいですね。