南加神奈川県人会(フランク・川瀬会長)は8日、恒例のサマーピクニックをトーレンスのウィルソン公園で催した。会場には、日本人、日系人、非日系人約170人が集まり、「故郷・神奈川県」をキーワードに、青空の下のピクニックを満喫した。
川瀬会長のあいさつに続き、氣心太鼓のメンバーによる迫力ある演奏で幕を開けたサマーピクニック。会員による手作り料理と、3世会員が前日からつけ込んで準備したバーベキュー、また食後のミニ運動会を楽しんだ。
ガーデナ市在住の三世ジェイ・タカシマさんは、子供のころから親や祖父母に連れられ県人会のイベントに参加していた。祖父母と両親が他界した今でも、いとこや叔母と一緒にほぼ毎年ボランティアとして会のイベントに参加、今年で約30年になる。県と直接のつながりはないが、それでも会に参加する理由を「神奈川を故郷に持つ家族への敬意」という。
多くの県人会で3世や4世の参加が少なくなっていることに対し、「日本語が分からないことや、異人種間結婚の増加なども理由だと思うが、それ以上に、親が子供に県人会の意味や自身のルーツを知る大切さをもっと教えるべきだった」と指摘。会の高齢化が進む中で、若い人が率先して支援すべきとして、タカシマさんは今後もボランティアを続けていくと話した。
川瀬会長は現在、理事会メンバーとともに同会のミッションステートメント作成を話し合っている。会員のほとんどが日本語を話さない日系3世や4世であり、異人種間結婚により会員が国際的になってきたことから、誰にでも活動内容が分かるようにするためという。
また、年齢や性別などにかかわらず、華道や書道、日本舞踊、柔道、剣道などといった日本文化習得、継承に携わっている会員への奨学金授与制度を始めることも提案。かつて学生への奨学金制度を設けていたが、さまざまな制限を撤廃し、日本文化習得に力を入れている全会員を対象とする。
3世の川瀬会長は、神奈川県と直接かかわりを持たない世代が中心になっていく中で、日本とのつながりを保つために同奨学金を提案したといい、近日中に会員に呼びかける予定という。
同会は会員を募集している。問い合わせは川瀬会長まで、電話714・990・5699またはEメール―
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【中村良子、写真も】