4年に一度のスポーツの祭典、ロンドン五輪。開会式は、ショーの演出が分かりにくいと、不評だったようだ。そして毎回のことだが、テレビのコマーシャルが多過ぎ困った。日本選手団が出てくるまで3時間、待ちに待たされ、映ったのはたった10秒ほど。居眠りしてしまい、日本の行進を見逃した人もいて、テレビ局に腹を立てていた。
 メディアが、自国選手をひいきに写すのは常。でも、外国出身の視聴者の少数意見も聞いてもらいたい。アメリカ選手を取り上げ過ぎで、もう少し他国の実力のある選手も紹介してもいいだろう。そんな応援する人のうっぷんを晴らしてくれるのは、選手たちの活躍に他ならない。
 体操個人総合で金メダルを取ったわれらの英雄、内村。期待通りの快挙で、日本列島を大いに沸かせた。大会前の練習では、得意種目の鉄棒で落下するなど、心配させたが、さすが世界王者。2位に大差をつけての圧勝。やはり、敵はいなかったのだ。首に掛けた金メダルと同じくらい、まぶしく輝く笑顔で大きな日章旗を広げた。その光景を世界の何億人の人が見ており、胸のすく思いがした。
 順位が入れ代わるメダルの国別獲得数から目が離せない。米中2強のし烈な首位争いと、3位韓国の快進撃がうらやましい。列強の後塵を拝す日本は、これまで金2個と伸び悩んでいて、3日までで13位。でも204の国と地域が参加していて、メダルを取っているのはまだ44カ国だけで、日本はその内のトップに入っているのでいいだろう。
 今大会も誤審が、しばしばあったようだ。幸いにも日本は2度、抗議が認められ判定が覆り、メダルを手中にできた。だが、金メダルを寸前で逃した女子選手は座り込んで無言で訴えたり、無気力に対する没収試合があったりと後味が悪かった。トップに君臨する選手の競技寿命は短い。親身になって選手のことを考え改善してもらいたい。
 毎日夜遅くまでテレビ観戦して睡眠不足になり、生活が狂っている人も多く、私もその1人。だが、選手の懸命な姿や自国国旗の掲揚を見たり、国歌斉唱を聴いたりすると、元気が出て日常生活のリズムが良くなる。佳境とされる陸上競技がいよいよ始まった。寝不足は、もう少し続くようだ。【永田 潤】

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