チームのバイクは、ヤマハ製125ccのエンジンを積んだモトクロスタイプの一般市販車。エンジンはノーマルで、主な改造はタイヤとサスペンションに限りスペシャルパーツを装着した。ゼッケンは、東日本大震災の復興を祈願し震災発生日の「311」を着け、被災地へエールを送った。
レースは正午にスタートし、昼夜休まずに走る。24時間という長丁場のため、無理をせずにペースを守りながら1周(0・625マイル)約1分で着実に周回を重ね、暑い昼間は20分で、夜間は30分から1時間でピットインする作戦を取った。ピットではライダー交代、燃料補給のほか、バイクをより扱いやすくするためのサスペンションのセッティング変更も行った。
猛暑の昼の走行を無事に終え、夕闇の中でもエンジン音がサーキットに響いた。夜は、仮眠をとりながら順番にコースに出てそれぞれの役割をこなしていく。初体験の夜間走行は神経を使い疲労がたまったが、日の出とともに元気を取り戻した。ゴールが間近に迫るにつれ「転ばないように」と慎重になり、緊張は高まったという。
チーム唯一の女性ライダー佐久間玲子さんは、今回が初のレース出場。デビューがいきなりの24時間レースだったが、練習走行を重ね自信をつけた。「転んでケガをしないように丁寧に走った。一般道を走るよりも安全に感じ、楽しかった」と述べた。本職は幼稚園で園長を務めており、園児ともバイクの話をしたりするという。
チームの代表の久保田友徳さんは、「完走という目標が達成できてとてもうれしい。もっと過酷と思っていたけど、チームワークを発揮して頑張ってくれ走りきれた」と喜んだ。来年の同レース参加については未定としながらも「今回は気心の知れた仲間と和気あいあいとレースが楽しめたので、仲間との絆を大切にしてまた出たい」と意欲を示した。【永田潤、写真も】