2010年の国勢調査によると、全米で130万人いるとされる日系人のうち46万人以上が自身を混血と見なしている。さらに異人種間結婚の増加により、日系社会でも日系人とその他の人種との混血は今後増え続け、近い将来、混血は日系人人口の半数以上を占めるようになるといわれている。
こうした背景を受け、JANMでは同祭の一環として8月25日まで「目立つ、目立たない―日系アメリカ人『ハパ』の歴史」と題した展示を開催している。
展示を企画したUSCのウィリアム・ダンカン宗教学部長は、「純粋な日系人が減ってきていると言われるが、一方で日本人の血をひく人々の数は増加している。こうした混血の人々も『日系人』なのであるという認識を多くの人にもってもらいたい」と述べ、伝統を守りながらも新しく変化を遂げる日系社会を展示に反映させた。
ハワイで最初に異人種間結婚をした日系1世の家族写真や、1960年代まで存在した白人と非白人との婚姻を禁止する異人種間結婚禁止法で市民権を剥奪された白人女性の証明書などが展示され、日系社会における異人種間結婚、それに伴う混血の歴史を振り返ることができる。
自身も混血であるJANMのグレッグ・キムラ館長は、「日系社会の歴史を扱う同館で、混血をテーマに過去そして将来の日系人についての展示を行うことは大変有意義である」と力を込めた。
会場には二世週日本祭の混血の歴代女王たちの顔写真も飾られている。女王たちを見ても韓国系、中国系、ヨーロッパ系日系人は多く、日系社会において混血が増えていることが伺える。
同祭に参加するためオレゴン州から訪れたサンダール・理永さんとエイミー・ジョーンズ・末松さんは日本人と米国人との間に生まれた「ハパ(混血)」。「アメリカではマイノリティーの歴史についてはほとんど教えないので、(展示を見て)ショックを受けた。また同時に『ハパ』の歴史を知ることができたので嬉しい」と語り、展示を楽しんだようだった。【吉田純子、写真も】
