少し前になるが、主人と筆者、それぞれの会社からもらう給料が少し減額されていることに気づいた。特に主人の方の減額が大きい。理由を尋ねると「給料ソフトを使っているし、何も変わっていないからわからない」とのこと。家計をやりくりする身としては、わからないまま減額されたのでは困る。というわけで調べたところ、年明けの政府と議会による減税延長のやり取りやカリフォルニア州の増税などの影響が及んだことがわかった。景気が回復基調とはいえ、まだまだ企業の財布はかたく、特に賃金アップは厳しい。収入は増えないが、またいつ増税されるかわからないという不安がつきまとう。
一般教書演説では、「中間所得者層を守る」と言ったオバマ大統領だが、税の仕組みからいって、中間層にいるサラリーマンが一番税金を徴収され、控除の恩恵も少ない。スキルを身に付け転職して高い賃金を得たとしても、解雇されたら収入が途絶える。高学歴で高収入の知り合いは、転職後1カ月で解雇され、前職の高収入があだとなって、同じ業界での職探しが困難となり、その後2年間職がなかった。結局全く違う業界に転職していった。
かといって、雇われるのはもううんざり、といきなりサラリーマンが独立するのもハードルが高い。とある中小企業の経営者に聞くと「自分の周りで40歳代で起業した人はほとんどが失敗して病気になる。特に大企業で勤めていた人は顕著」という。もちろんこれは20年前の話で、今とは環境が違うが、サラリーマンと経営者では物の考え方を変えないといけないので、ある程度納得。そんな矢先、出張でシリコンバレーに向かった。起業し、大手企業に売却、早めリタイアした成功者が数多いことを実感。
それではどうすればいいのだろうか。そんなときに本屋で見かけた藤井孝一氏による「週末起業」という本を読んだ。サラリーマンを続けながら、時間のある週末を利用して起業し、収入アップを目指すというもの。とりあえずはここから始めてみよう。【下井庸子】