「大学チャンピオン」と紹介され、万雷の拍手に手を振ってこたえる選手ら
 カレッジ・ワールド・シリーズ決勝(6月24、25日・ネブラスカ州オマハ)で、ミシシッピ州立大を2連勝で退け、初の全米王者に輝いたUCLA野球部のメンバー約30人が、優勝のご褒美にドジャースの招きで27日、フィリーズ戦前の練習を見学した。セレモニーでは「大学チャンピオン」と紹介され、地元のファンから万雷の拍手で祝福を受けた。
観衆に試合の開始を告げる大学野球王者のUCLAの選手たち
 UCLAは、バスケットボール、バレーボール、水球、ソフトボールなど、ほとんどすべてのスポーツで、全米優勝を果たしたことのある名門校だが、野球部の優勝は今回までなかった。ジャッキー・ロビンソン、エリック・カルロス、トロイ・グロース、デーブ・ロバーツ、トッド・ジール、チェイス・アットリーなど、大リーグ入りした多くの選手を輩出する野球部の悲願の初優勝により、同校はNCAAのタイトルを全米一の109に記録を伸ばした。
 ドジャー球場に招待された選手らは、ロッカールームや室内練習施設を見て回った。大リーグのオフシーズンにドジャー球場で試合をしたことがあるが、メジャーの打撃練習を間近で見るのは初めてといい「パワーがあり、鋭い打球に驚いた。貴重な経験ができた」などと、感想を述べた。憧れのメジャーの選手からは「優勝おめでとう」と祝福され、ドジャースで大活躍する注目の新人ヤシエル・プイグ選手と記念撮影に納まる幸運にも恵まれた。フィリーズの3番打者ジミー・ロリンズやUCLAの先輩アットリーの打撃に驚き、メジャーの好打者との技術の差を肌で感じたようだった。
ドジャースの選手と握手を交わすUCLAの選手たち
 2年生で遊撃手のパット・バレイカ選手は、優勝までのこの一年の道のりについて「優勝を目指して激しい練習をみんなでこなしてきた。徐々に上手くなり、シリーズ中も気合の入った練習を怠ることなくやって向上心を持続し、チームワークを発揮して優勝することができた」と振り返った。優勝トロフィーを抱えて大学に凱旋し「みんなに喜んでもらって光栄だった。これまではUCLAの他のスポーツのNCAA優勝のトロフィーはキャンパス内に飾ってあったけど、野球部だけがなく肩身の狭い思いをしていた。ジャッキー・ロビンソンなどUCLAの多くの偉大な先輩ができなかった優勝を僕たちが成し遂げた」と胸を張った。
 先月行われた大リーグのドラフト会議で、バレイカ選手はコロラド・ロッキーズから9巡目(全体259位)で指名を受けた。UCLAからは6選手が指名され、6人全員がプロ入りの意思を表している。指名された他校の選手の中には契約を済ませ、ルーキーリーグでプレーしているが、UCLAの指名選手はカレッジ・ワールド・シリーズで決勝まで進んだため、入団交渉はまだである。選手たちは、同シリーズ中は個人のプロ入りについて話題にすることなく、試合に集中したという。
 ジョン・サベージ監督は「うちの選手は、他のどこのチームの選手よりも頑張った。優勝できて感無量。ドジャースに招かれたのは、とても光栄で選手にはいいご褒美になった」と話した。
 ドジャースは現在、ナ・リーグ西地区で最下位に甘んじている。だが同夜の試合は、地元UCLAの活躍に刺激されたようで、満員のファンに逆転勝利を捧げた。【永田潤、写真も】

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