静岡県人会
手作りの料理に舌鼓
ゲーム大会で親睦深める
静岡県人会は同公園の東側でピクニックを開催した。南加地区の諸団体の代表者をはじめおよそ50人の会員家族が集まり、持ち寄ったごちそうに舌鼓を打ちながら、ゲーム大会やラッフル抽選会、ラジオ体操をして交流を深めた。
会員のグレース・柴さんは「出来合いのお弁当ではなく、毎年会員有志が手作りの料理を作ってくれるのが同県人会のピクニックの魅力」と力を込める。それを楽しみに遠い所からわざわざ参加する会員も多いという。
最年長の竹本芳子さん(97)は30年以上前から毎年ピクニックに参加している。ロサンゼルスで生まれ育ったが父親が静岡県出身だったため、幼い頃から父の故郷の話を聞いて育った。「父の同郷の人が大勢集まり、手作りの日本食が食べられるので毎年楽しみにしている」と語り、早くも来年のピクニックが待ち遠しいと話す。
食後のデザートは1945年頃に製造されたレトロなかき氷械で作られたかき氷。
現在の持ち主のマーガレット・ラウさんも父親が静岡県出身だったため幼少の頃から毎年ピクニックに参加。かき氷機は友人のトモ・サカジさんから譲り受け、毎年会員たちに小豆など日本ならではのトッピングを加えたかき氷を振る舞っている。
サカジさんは和歌山県出身で、この日はちょうどサカジさんの娘ナオミ・トンさんが同公園の西側で行われていた和歌山県人会のピクニックに参加。静岡県人会の会場に立ち寄り、以前と現在の所有者が対面を果たした。
昼食の後は会員の健康維持のために毎年欠かさず行われているラジオ体操やゲーム、ビンゴなどを行い、会員たちは来年の新年会での再会を誓い合った。
和歌山県人会
7人の若者に奨学金授与
会員の温かな支援に感謝
和歌山県人会は同公園の西側でピクニックを開催した。およそ250人が集まる中、今年度の奨学金受領者7人への授与式が行われ、ゲーム大会のほか日本民謡や日本舞踊も披露され、交流を深めた。
短期留学プログラムで和歌山県でホームステイ体験をしてきたヒジマさん
有地会長は、制作に携わった婦人会メンバーとボランティアの協力をたたえるとともに、手作りのゲームや盛りだくさんのエンターテインメントを楽しむよう会員たちに呼び掛けた。
同県人会は一昨年100周年を迎え、記念誌を発行。会場受付に何冊も並べられた記念誌を手にし、同県人会の歴史を興味深く眺める会員たちの姿も見られた。
同県人会では奨学金制度を設けており、和歌山県に所縁があり、高校を卒業し大学進学を控えた若者に毎年奨学金を授与している。
今年の受領者はカイル・コタニさん(シアトル大学)、リョウスケ・アリチさん(早稲田大学)、サラ・エーリンさん(UCLA)、マリッサ・クリキさん(カリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校)、マーク・ナカタさん(UCアーバイン校)、ジャスティン・クシさん(UCサンディエゴ校)、グレン・コークレンさん(UCリバーサイド校)の7人。
授与式ではそれぞれに奨学金が手渡され、受領者は会員からの温かな寄付に感謝の言葉を述べ、「今後も学業に精進し、同県人会の行事にも積極的に参加し、貢献していきたい」と語った。
和歌山県への短期留学プログラムも設けており、7月12日から25日の日程で訪日し、帰国したばかりのリサ・ヒジマさんもピクニックに参加していた。祖母が同県出身だというヒジマさんは日本滞在中、有田市の一般家庭でホームステイをしながら、県内を観光したという。
祖母の故郷、串本町にも訪れることができ、「温かい人たちと出会い感動の連続でした」と振り返った。
食事の後には有地会長自ら制作したゲームや福引きなどを楽しみ、みなで炭坑節を踊り、会員たちはピクニックを満喫したようだった。