このコラムを書くときに一番困るのがテーマ探しである。
果たして何一つ不自由も無く穏やかな日常かといえば、とんでもない。日々いろいろな摩擦もあれば、心温まる出来事にも出会う。
ところがそのような感動も怒りも時間が経てば知らないうちに私の中を通り過ぎてゆき、いずれ色あせてたいしたことではなくなってしまう。まあ、頭脳のほうもたいした容量があるわけではないから適当に忘れ、いつまでも去りかねて残っているこだわり事にも折を見て出て行ってもらわねばならないのだが…。
そこでまだ新鮮な、4日ほど前の怒り心頭に発する話をひとつ。
職場で会員向けのダイレクトメールを発送することになり、ちょうど在庫が底をついていた封筒を注文した。先方の担当者は非常に丁寧で、ロゴの色や文字のサイズも間違いのないようにEメールで確認をしてくれた。印刷にOKを出し、荷物が届くのを待った。
約束どおりの日時に荷物が届いてほっとしたが、どうも箱の様子がおかしい。2つの箱のうち1つはオリジナルの箱ではなく、やたら大きな箱でシッピングテープがべたべたと貼ってある。箱を開けてみたところ、2500枚の封筒が箱の中へぶちまけたように入っており、折れたり皺がよったり汚れたりで、「何これ!」という無残な状態。
すぐに会社に苦情を入れたところ、印刷所は完全な状態で運送会社に渡したという。どうやら途中で外箱が損傷したので運送会社が他の箱に移して配達したらしいが、もう少しましな処置の仕方があるだろうに。印刷をやり直したのでは郵送に間に合わないので、仕方なく使えるものと破棄するものを仕分けて数を数えたが、まったく時間の無駄。
世界規模の運送会社で社歴も長く、テレビCMに見る行き届いたサービスは一体何処の会社の話なのか。末端の社員教育が出来ていないと社名に泥を塗ることになる。そこでまた私の十八番がでる。
「日本だったら、絶対こんなことはない!」【川口加代子】