加州議会は12日夜、不法移民に運転免許証の交付を認める法案や、州の最低賃金を来年に9ドル、2016年には10ドルへ引き上げる法案などを承認し、ジェリー・ブラウン州知事のもとへ送った。知事は、10月中旬までに両法案に署名する見通し。
不法移民に運転免許証の交付を認める法案AB60は、ルイス・アレホ下院議員(民主・ワトソンビル)により提案。当初は、免許証取得に納税を証明する書類または米国内での就労を証明する書類の提出を求めていたが、今回州議会で承認された法案では、提出書類の種類は車両管理局(DMV)にゆだねると変更された。
法案によると、不法移民に交付される運転免許証には、Driver’s Licenseを表わす「DL」の代わりに、Driver’s privilegeを表わす「DP」と表記され、「就労や公益を受ける資格は認められない」との記述が印刷される。
議会での承認を受けブラウン知事は「これにより、より多くの人が安全に、そして合法的に運転して仕事へ向かうことができる」と議会での承認を称賛。同法案に署名する意思を表明した。
さらに議会は同日、加州で定められた最低賃金を来年7月1日に現行の時給8ドルから9ドルへ、そして2016年1月1日には10ドルへ段階的に引き上げる内容の法案AB10も承認した。
最低賃金引き上げを巡っては、ビジネスオーナーらからは根強い反発を受けていたが、最終的に下院で51対25、上院で26対11の票を獲得し承認された。25%の賃金引き上げは、過去5年で初となる。
現在、加州の最低賃金は全米で8番目。最高はワシントン州の時給9ドル19セント、続いてオレゴン州の8ドル95セント、バーモント州の8ドル60セントで、ネバダ州、コネティカット州、ワシントンDC、イリノイ州はそれぞれ8ドル25セント。2016年に加州の最低賃金が時給10ドルになれば、全米で最高となる。
さらに、日本やメキシコなどですでに採用されている、激しい揺れが到着する前にその大きさを予測し一般向けに警報を出す「地震早期警報システム」の導入を義務づける法案や、昨年コネティカット州の小学校で発生した襲撃事件などを踏まえ、取り外し可能な弾倉がついたライフルの販売違法化や、10年間銃器所持が禁止される犯罪リストの拡大など、銃関連の法案も承認された。