小笠原秀道家元(前列右)と小笠原秀玲副家元(同左)と免状を伝授された教授たち(後列)
茶会は日系諸団体の代表者などが参加する中、3席に分けて行われた。
掛物は三代家元画、盛物は聴松抱琴で松、松の実、琴で表現され、正客定は素心竹石で客をもてなした。
伝統的な作法を重んじつつ、現代にふさわしい形式を取り入れた美しい所作は見る人を惹き付け、客は目の前で行われる点前を一心に見つめていた。煎茶は最後の一滴が一番美味しいとされ、出来上がった茶は丁寧に注がれ、上品な香りとともに客は茶を味わった。
40周年は喜びだけではなく、支えてくれた人々への感謝の気持ちの方が大きいと言い、「『煎茶道』を広めるパイオニア精神のもと、煎茶道の心をひとつに今後も普及活動に努めていきたい」と心意気を示した。
日系社会の各界の代表者からも祝いの言葉が送られた。新美潤・在ロサンゼルス日本総領事は、過去に赴任経験のある英国とイランでの話に触れ、茶を楽しむ文化はあっても、奥深い文化にまで根付かせているのは日本が誇る文化遺産であると強調。「お茶の栄養分とともに、世界にこの文化を広めて頂きたい」と語り、煎茶道のさらなる発展を願った。
同家元から南加総支部の山口弘支部長に感謝状の贈呈が行われた後は、十徳伝授、免状伝授が行われ、それぞれ授与を喜ぶとともに、今後も煎茶道をさらに極め精進していくことを誓いあった。【吉田純子、写真も】