先ごろ、漫画家のやなせたかしが亡くなった。「アンパンマン」などは娘が小さなころ、よくお世話になったものだ。残念です。
さて、現在はアニメとして日本文化の一部を担っている漫画。動画としてのアニメも良いが、昔の週刊誌や単行本もいい。まだ若かりし頃、石森(後に石ノ森)章太郎などのファンだった。連載もので「サイボーグ009」などは発行出版社が時々替わり、そのつど追いかけたものだ。こちらのテレビでおなじみの「Power Rangers」のシリーズも彼が生みの親。
ちなみに角川書店から『石ノ森章太郎萬画大全集』が発行され、「Most comics published by one author」としてギネスに認定されている。
彼が一時期住んでいた、知る人ぞ知るかの有名な「トキワ荘」には「ひみつのアッコちゃん」などの赤塚不二夫、「ドラえもん」などの藤子不二雄などが住んでいた。一時的だが、手塚治虫や女流マンガ家の水野英子も住んでいたとか。
横道にそれるが、1970年代当時に少女漫画の革新を担った昭和24年前後生まれの女性漫画家たちの一部を「(花の)24年組」と呼んだらしい。また24年組の多くが東京南大泉の共同アパートに集まっていたので、そこが「女性版トキワ荘/大泉サロン」とも呼ばれていたらしい。
24年組には青池保子、萩尾望都、竹宮惠子、大島弓子、木原敏江、山岸凉子などなどがいた。
少年マンガを読みあさっていたころ、ついでの立ち読みで少女マンガも読んでいたので懐かしい名前だし、今も現役の作家は少なくない。
ノスタルジーだと言われれば仕方がないが、当時のマンガは大体において線が奇麗。擬音の使用も必要最低限というか、納得の範囲で、筋と絵の上手さ、新趣向で読ませていた気がする。
今のように「ひとつが売れれば他も追従」とはちょっと違う、常に新しい分野、新しい画風を模索していたようだ。当時のその活動が現在の漫画家の礎(いしずえ)になったのは確かだろう。
ああ、本を買ってまで読みたいと思うマンガに、もう一度会いたいものだ。【徳永憲治】