小東京のダブルツリー・ヒルトンで行われた「初点式」で倭島室長、日商の柴さんらにお茶を点てる三輪さんと半東の木谷さん
小東京のダブルツリー・ヒルトンで行われた「初点式」で倭島室長、日商の柴さんらにお茶を点てる三輪さんと半東の木谷さん

初点式で使用された棗(なつめ)を拝見する倭島室長(左端)、日商の柴さん、今日庵参事ロサンゼルス協会の松本さん、淡交会オレンジ郡協会の小泉幹事長
初点式で使用された棗(なつめ)を拝見する倭島室長(左端)、日商の柴さん、今日庵参事ロサンゼルス協会の松本さん、淡交会オレンジ郡協会の小泉幹事長

 茶道裏千家淡交会ロサンゼルス支部(金井紀年会長、笠井宗京幹事長)は12日、新年最初に行う茶会「初点式」を小東京のダブルツリー・ヒルトンで催した。あでやかな着物に身を包んだ女性や袴姿の男性が集まる中、三輪宗理社中が薄茶を点てて日系社会の招待客をもてなした。
 初点式は、教授部の大角宗孝さん解説のもと、三輪宗理さんが亭主を、木谷宗曜さんが半東を務めた。床には坐忘斎家元筆による「老松千年色」が掛けられ、青竹一重切の花入れに結び柳と季節の花、床にはお正月らしい小槌が飾られた。
 茶席はステージ上と下に用意され、ステージ上の正客に総領事館広報文化センターの倭島岳彦室長、次客に南加日系商工会議所のグレース・柴さん、三客に今日庵参事ロサンゼルス協会の松本宗静特別相談役、詰めに淡交会オレンジ郡協会の小泉宗由幹事長が着席し、それぞれが新年の一服を堪能した。菓子は地元三河屋製の初音が振る舞われた。
あいさつに立つ金井会長
あいさつに立つ金井会長

 新年のあいさつに立った金井会長は、昨年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことに触れ、「日本の食品文化は文化的、医学的、哲学的にも優れており、ユネスコに登録されたことで茶道も正式に世界に認められた」と述べ、海外でそれを普及させている会員に敬意を示した。
 また正客を務めた倭島室長は、当地に赴任した2011年以来、裏千家の初点式で新年を迎えることが自身の年中行事になっているといい、「いつも緊張するが、毎年平穏な雰囲気の中で新年を祝えられることは嬉しい」と述べた。さらに、富士山と和食のユネスコ登録、2020年東京オリンピック開催をはじめ、伊勢神宮と出雲大社でそれぞれ「式年遷宮」が行われたことなどを挙げ、2013年は日本が世界から注目される特別な年であったと振り返り、「茶道も世界中で受け入れられ、日本文化継承に大きな役割を担っている」とあらためて感謝の言葉を述べた。
 最後は、63年間にわたり米国で茶道の指導および普及に尽力する今日庵参事ロサンゼルス協会の松本さんがあいさつ。集まった全員に礼を述べるとともに、何事においても「感謝の心」「謙遜の心」を忘れずに、「人の短所でなく長所を述べ、未完成な自分を尊重し、ひとりでここまで大きくなったのではなく、周りの人のおかげで今の自分があることを肝に銘じて」と諭し、2014年の初点式を閉会した。
【中村良子、写真も】

今年の初点式を担当した三輪社中
今年の初点式を担当した三輪社中

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