新年会で親睦を深めた和歌山県人会のメンバー(前列左から5人目が有地会長
新年会で親睦を深めた和歌山県人会のメンバー。前列左から5人目が有地会長
 創立103年の歴史を誇る南加和歌山県人会(有地敏廣会長)は1月26日、モンテベロのクワイエットキャノンで今年度総会と新年親睦会を開いた。有地会長の3年目続投が決まり、地元の民謡や福引き会などを楽しみ、参加者73人が親睦を深めた。
童心に返り盛り上がったじゃんけんゲーム
童心に帰り盛り上がったじゃんけんゲーム
 会員の谷口国瑞さんの祝吟と、参加者全員による「一月一日の歌」の大合唱で新春を演出した。有地会長が新年のあいさつに立ち、3年前の100周年行事と昨夏発刊した記念誌編集について、会員の労をねぎらった。高齢化により会員数は減少傾向にあるものの、会長はジョークを交え「200周年を迎えるまで和歌山県人会が健在であるために、生涯現役のつもりで頑張りましょう」と呼びかけた。
 仁坂吉伸県知事のメッセージが披露された。知事は県人会の創立100周年記念式典に参列し、会員の活躍を知っている。食や文化、産業など全国に誇れるものを先駆的に生み出す進取の気質に富む県民性にふれ、会員も同様に「異郷の地で信頼を築き上げている」と、称賛した。
 来賓のルイス・イトウさんが祝辞を述べ、有地会長をはじめとする新役員の前途を祝した。創立100周年行事と同記念誌を絶讃し、活動については若者に対する奨学金制度と和歌山への派遣プログラムを高く評価し「今後も会員間で親睦を深め、日本と和歌山の懸け橋となってほしい」と願った。
 県人会の発展に尽くした80歳以上の長寿会員23人に賞状と紅白饅頭を贈った。また、最年長の坂地四郎さんを白寿(99歳)表彰し、息子のジャックさんが代理で賞状を受け取った。
 顧問の入山正夫さんの発声で新年の祝杯を挙げ、昼食をとり、第2式はエンターテインメント。のど自慢のカラオケ、福引き、童心に帰ったじゃんけんゲームを楽しんだり、日本民謡研究会の会主で同県串本町出身の井本豊春寿さんの社中は、和歌山に因んだ民謡「紀州男節」や「紀の川」などを踊り、会を盛り上げた。
オペラを披露するコンさん
オペラを披露するコンさん
 和歌山系4世のケルシー・ナカジ・コンさんは、ウィティア大で生化学を専攻すると同時に音楽も学ぶ。会員を前にオペラを披露し、持ち前の美声を響かせた。コンさんは、2年前に県人会から奨学金を授与され、和歌山で2週間過ごすプログラムにも参加した。宇久井にホームステイした思い出を「初めて日本のファミリーに会えて感激した。会う人みんながとても温かく迎え入れてくれた。また訪れたい」と振り返る。県人会のメンバーからは「頼もしい若手」と期待を寄せられ、奨学資金部で選考委員をしたり、ピクニックの準備で忙しく働いており「会員の一員になって、会にかかわることができて、とてもうれしい」と話した。
 県人会の活動は、新年会、月例ゴルフ大会と夏のピクニック、会員子弟の高校生を和歌山へ派遣、町村人会の独自の活動などで親睦を深めている。また、今秋大学に進学する奨学生を募集し、奨学金を授与する。
 有地会長は、新年会の盛況を喜んだ。会の運営については、年中行事を継続させ、4世などの若者に入会を勧誘しメンバーを増やす考えを示し「みんなで仲よく盛り上げる会にしたい」と抱負を述べた。【永田潤、写真も】

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