「遠い日の歌」を合唱するOCFCと早大グリークラブOB
「遠い日の歌」を合唱するOCFCと早大グリークラブOB
 日系混声合唱団「OCFC(Orange County Friendship Choir 、住山弘会長)」は、年一度の定期演奏会を2月23日、アーバインのコンコーディア大で開き、唱歌や大作のミュージカルの合唱曲約20曲を歌い上げた。来米中の早稲田大グリークラブOBと共演し、約480人の観衆を魅了した。
 定期演奏は2009年の発足から今回で4回目で、昨年12月にサウスコースト・シンフォニーとの共演のクリスマスコンサート後に、今公演に向け練習を開始。短期間で集中し、難曲に取り組んだ成果を発揮した。
 始めはOCFCの49人の団員が登場し、昨年亡くなった三善晃が編曲した「朧月夜」や「茶摘」「紅葉」「夕焼け小焼け」などを歌唱。
三善晃が編曲した唱歌を合唱するメンバー
三善晃が編曲した唱歌を合唱するメンバー
子どもの頃聴いた懐かしい曲で聴衆の心を捉え、一緒に歌う人も多く見られた。
 次のグリーOBは、当地の早大同窓会支部の式典に招かれ訪米した。OCFC会員で同支部にも属する樋口千鶴子さんが取り持ち、コラボレーションを実現させた。グリーOBは、50年以上の合唱経験を持つ実力者揃いで、東北の被災地を慰問し励ました「花は咲く」や「この町で」「斎太郎節」を感情を込めて優しく語りかけるように歌い、喝采を浴びた。また、70年代のポップスをメドレーで綴り、参加者はそれぞれの青春時代を思い起こしたことだろう。
 休憩を挟みOCFCが再登場。いよいよ、練習を積んだ「オペラ座の怪人」と「レ・ミゼラブル」の合唱曲を披露する時が来た。昨年の演奏会はオペラ、今年もミュージカルという難曲に挑んだ団員たち。厳しい練習だったというが、パート毎に意識を高めて合唱を完成させ、会場から万雷の拍手が贈られた。指揮をした指導者の竹下圭子さんは「新しい分野にトライし、練習は短期間の強行で大変だったが、みんなが頑張り仕上げることができた。得たものは大きく、実力がついたと思う」とたたえた。
 最後は両合唱団が、パッヘルベルのカノンを使って合唱曲にした「遠い日の歌」を日本語で、そしてイタリアの第二の国歌といわれる望郷曲「ナブッコ」を原語で声を合わせた。合同リハーサルは数回だったというが、ぴったりと息を合わせ、絶讃のスタンディングオベーションが贈られた。樋口さんは「日米の虹の懸け橋に」と、共演をアレンジしたといい「夢が叶った」と喜び、13人という少数の男性団員は「やはりグリーOBはレベルが違う。勉強になった」と、刺激を受けた様子だった。参加者全員による「故郷」の大合唱で、日本に思いを馳せ公演を締めくくった。
 住山会長は「子どもから大人まで聴いてもらい、盛り上がった。アメリカ人にも『日本語の曲がよかったよ』と言ってもらえてうれしい」と喜んだ。「難しい曲に挑戦したので、満足感が大きい。演奏会という目標があったので、みんな頑張ってこられた」と評価した。今後は徐々にレベルを上げ、より多くのイベントに参加し、発表の場を広げる考えを示した。【永田潤、写真も】
参加者全員が「故郷」を大合唱し、会場は一体感に包まれた
参加者全員が「故郷」を大合唱し、会場は一体感に包まれた

スタンディングオベーションを浴びるOCFCと早大グリークラブOB。手前左から2人目が指導者の竹下圭子さん
スタンディングオベーションを浴びるOCFCと早大グリークラブOB。手前左から2人目が指導者の竹下圭子さん

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