着任のあいさつに立つ堀之内領事。左は薗浦健太郎・外務大臣政務官
着任のあいさつに立つ堀之内領事。左は薗浦健太郎・外務大臣政務官
 在ロサンゼルス日本総領事館は、堀之内秀久総領事の着任レセプションを9月24日、ハンコックパークの総領事公邸で開き、地元政財界や日系主要団体の代表ら招待客約430人に、和牛やすし、天ぷらなど日本食や日本酒を振る舞ってもてなした。総領事は席上、日本政府の対外政策や文化・情報を世界に発信する「ジャパンハウス」を来年、当地に開設することを発表した。

着物姿のサビーン夫人(左)とともにゲストを迎える堀之内総領事
着物姿のサビーン夫人(左)とともにゲストを迎える堀之内総領事
 総領事は、着物着姿のサビーン夫人とともに、すべての招待客を一人ひとり丁重に迎え入れた後、着任のあいさつに立った。「世界最大の在留邦人数を誇りまた、100年以上の歴史の日系社会を持つロサンゼルスに赴任できて光栄」と喜んだ。日系社会の礎を築くために尽力した1世、2世と、その伝統を引き継ぐ次世代に対し「敬意を表したい」と述べた。
 「2つの『秘密情報』がある」とし、それらを明かした。最初に「今日24日は、妻サビーンの誕生日です。誕生日おめでとう」と祝福し、愛妻家ぶりを発揮。「年齢は、トップシークレット」とし笑いを誘った。次は外務大臣政務官、薗浦健太郎氏のロサンゼルス訪問で、政務官の総領事レセプション参加は極めて異例だとし「それだけ、日本政府がロサンゼルス、南カリフォルニアそして、アリゾナを重視していることの表れである」と力説した。
 総領事は、政務官の真の来米の目的を、ジャパンハウスを当地に開設するための準備であると説明し、日本政府は海外発信を抜本的に強化するための拠点を英ロンドン、ブラジル・サンパウロ、ロサンゼルスに設置を目指す。LAは、全米で唯一選ばれたといい「それだけ、日本にとって極めて重要であることを示している」と強調。「地域社会との関係強化、日米関係の強化、伝統文化にとどまらず、最新技術、ポップカルチャーを積極的に発信していきたい。ジャパンハウスの実現は、私の初の任務とほぼ重なり、非常に興奮している」と話した。
招待客と握手し、自己紹介する堀之内総領事(右)
招待客にあいさつし、握手を交わす堀之内総領事(右)
 総領事としての三大任務の①日系社会のために尽くす②政治、経済、文化を含む、あらゆる面の日米経済を強化する③日本の魅力の海外発信―を紹介し「みなさんと仕事ができることを楽しみにしている」と、任務の遂行に意欲を示した。
 薗浦氏があいさつし、総領事について「第一級のキャリアを持った外交官であり、どんな問題でも相談してほしい」と呼びかけた。カリフォルニアと日本の良好な関係について紹介。加州は、全米で最も多くの日系人が暮らし、進出する日系企業の数は増え続け、年間5200人を超える日本人留学生が学び、約60万人の日本人観光客が訪れ、日本の約100都市が姉妹提携を結んでいる。「極めて強固な関係にある」と、力を込める一方で、「(反日活動を行う)少数民族間の不必要な緊張関係が気がかりだ」とし、緊急の解決策として他国との関係改善を挙げた。安倍政権の政策としてのジャパンハウスについて「他国とのコミュニケーションを図り、利用者の多くが親日家になるだろう」と話し、「プロジェクトの成功は地元の協力が不可欠である。国際社会で、日米が協調性を高めるために、力を尽くそう」と呼びかけた。
 総領事の米国赴任は、日本大使館で参事官(1996年〜99年)を勤めて以来2度目で、34年間の外務省キャリアの中で総領事館勤務は初めて。ロサンゼルスでのプライベートの生活については、ゴルフの上達に加え、サビーン夫人と好きな音楽鑑賞を楽しみたいと話した。【永田潤、写真も】

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