写真クラスは今年で3年目を迎え、生徒が基礎を身に付けたため、2月から始まった今期は、より高いテクニックを習った。打ち上げ花火や月、星などの夜景そして、花などの接写などに挑み、芸術性を持たせた。
過去2回の展示はテーマを設けたが、今回はなく自由課題とした。その理由を、指導する岡田信行さんは「生徒は一定の基礎技術を持ったので、幅を広げ自由に表現してもらいたかった。3年間の集大成」といい「卒業写真展」と位置づけて生徒を鼓舞した。自由テーマであるものの、生徒は基本に忠実で、それぞれが主題を決めて撮っており、クラスで身に付けた技術を実践していることが作品の随所で見ることができる。
12×18インチサイズの作品は、1人平均4枚。被写体を追い求め、他州や日本、中にはアフリカまで撮影旅行に出掛けた人もいる。自由な発想で創意を凝らした作品は、山、川、花、人物、野生動物などさまざま。近年は、コンピュータ処理する画像が多々見られるが一切なく、素人らしい温かさが感じられる。
ともにクラスを取って3年になる伊藤久子さんと永田和代さんは、構図とアングルに気を配り、被写体に向き合うという。今回、伊藤さんはモニュメントバレー、グランドキャニオン、アンテロープキャニオンの国立公園巡りをし「光の加減に気を付けて写した」という4枚の作品に3年間の思いを込めた。写真のおもしろさについては「いくつか撮って、いいのが1枚あった時がうれしい」と笑顔で話す。永田さんは「今までは何気なく撮っていたけど、習ってからは構図やマナーなど、一枚一枚考えて撮るようになった」と語る。展示にはアンテロープバレーのポピー3枚と弘前城のもみじ2枚の計5枚を出展し、習得した花の接写も試みた。ともにクラスでは「作品を見せ合って、誉め合って、教え合って、励まし合っているので楽しい」と口を揃え、写真展については「クラスだけではなく、発表する場があって励みになる」と心待ちにしている。
岡田さんは、生徒について「教えた撮り方のコツをすべてマスターし、作品作りに生かしている」と評価。このたびの展示については「情熱だけはプロの写真家に負けていない。『百聞は一見にしかず』で、『生徒の努力』を見に来てほしい」と力を込め、来場を呼びかけている。
展示は、午前10時から、8日は午後5時、9日は4時まで。詳細はパイオニアセンターまで、電話213・680・1656。【永田潤、写真も】