佐藤にとってロングビーチは、2013年に同シリーズで日本人初の優勝を飾った相性のいいコース。だが、予選上位6位までを占めたシボレー勢のパワー優位の中、ホンダ勢最高位となる力走が光った。
ピットストップは2度とも、クルーがミスのない作業で佐藤を送り出し、順位を上げるきっかけを演出。53周目の2回目では、6番手でコースに戻り終盤へ。そして、57周目には「一瞬のミスを突いた」というヘアピンの出口で鮮やかな追い抜きを披露し5位に浮上。その後も猛追し、激しい4位争いを繰り広げファンを喜ばせた。
「作戦にミスはなかった」というタイヤを使いこなし、終盤の見せ場につなげた。レース全般を振り返った佐藤は「ハイペースのライバル勢に食いついて走ることができ、ピットでもコース上でも抜くことができよかった。いいレースができ、順位以上にチーム全体の達成感が大きい」と胸を張った。
熊本地震について佐藤は「連日、余震が続いて2次、3次災害が出ている」と、心配しており「日本を応援したい気持ちで、いいニュースを少しでも届けるために走ったので、みんなにあきらめないで頑張ってほしい」とエールを送った。【永田潤、写真も】