日本に行った先月、知人とスペイン料理店に入った。ウェイトレスの名札がスパニッシュネームだったので、知人は彼女は日本人ではないと思ったらしかった。私とは、見解に相違があったので、確かめようということになった。結局は、日本人でレストランでの通称だった。
 どうしてここまでのことになったかというと、コンビニやレストランで働く外国人留学生が増えている現実があるからだった。ここアメリカでは、留学生は働くことができないが、日本では、留学生は週に28時間までは認められているので、働くことは違法ではない。学生の経済的負担を考えるといいかもしれない。その良し悪しは別にして、若い労働力の不足で、便利を享受する24時間営業のコンビニは、彼ら留学生に支えられている。この現実の中で働いている知人には、重大な関心事に違いなかった。
 戻ってきたLAで見た羅府新報の見出しには「介護留学生 前年から倍増、千人超え」「在留外国人が過去最多」「日本語学習の支援制度新設へ 外国人労働者受け入れ拡大で」などが毎日のように躍っていた。ここで読んでいるだけでは実感がないが、義兄が住む東京都江東区でも訪ねるたびに、外国人が増えていた。すれ違う人たちの言葉が中国語、韓国語、ベトナム語など多国籍。彼らの母国の食材を売っているマーケットやレストランができている実態を目にしていると、現実のことと受け入れられる。
 ここLAでも日本語を学ぶ学生は多いが、アジア諸国でも日本語がブームだという。日本語を学んで来る学生は、コンビニなどの接客業は日本語を使えるし、夜のシフトだと学校にも行けるということらしい。日本人学生が働きたくないところを埋めてくれる重要な労働力になっている。
 このブームも2020年のオリンピックまでという予測もある。外国人労働者の受け入れは拡大、しかし移民は受け入れないと言明する安倍首相。それで、日本の労働力不足は解決できるのだろうか。
 話は逸れるが、前述のレストランの近くに「ララ物資の記念碑」があった。碑にある香淳皇后の歌と説明書きが誰かの目に留まりますように!【大石克子】

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