トランプ大統領の信奉者が自家製のパイプ爆弾を、オバマ前大統領など民主党の主要人物やメディアに送りつけた。
幸いなことに犠牲者も出ず、犯人も数日で逮捕されたが、ピッツバーグではユダヤ教の礼拝の行われていたシナゴーグで銃が乱射され11人もの犠牲者がでた。世の中危険極まりない。
11月の中間選挙が近づいて、テレビは選挙キャンペーンの洪水。その間を縫って大統領は相変わらず訳の分からないスピーチを繰り返し、いつもの通りメディアが悪い、と根拠の無い責任転嫁を繰り返している。
主義主張が合わなければ暴力で抹消するという、アメリカが旗印として掲げてきた「民主主義」からはるかに遠い手段が繰り返されている。
一連の事件を大統領の責任にするべきではないという声がまずホワイト・ハウスから上がっている。もちろん大統領が直接手を下した訳ではないし、これらの危険人物を雇った訳でもないけれど、トランプ特有のツイートやスピーチがこれらの犯罪を煽動していると思うのは私だけではないはず。
面白いことに、投票日を前にして、民主党と共和党が意見の一致をみているのは、「棄権をしないように」という有権者に対する呼びかけである。
アメリカに来た当時、選挙の度にその投票率の低さに驚いたものだ。果たしてより多くの有権者が投票することで、どちらに有利になるのだろうか。
トランプの言葉や彼のリーダーシップを信じる国民がこれほど多くて国を分裂させていること自体恐ろしい気がする。
友人とまではいかないが、道で会えば話をし、イベントなどで同席して物分かりの良いおじさんだとばかり思っていた人がトランプ支持者で、彼の話になると人が変わったようになり、びっくりしたこともある。
こんなことを書いていると、私のところにもパイプ爆弾が届くかもしれない。くわばら、くわばら。
とにかく私は今年も出勤前に投票場に出かけることにします。私の貴重な一票が、愛するアメリカを立ち直らせる力になると信じていますから。
みなさんもどうぞ棄権しないでください。【川口加代子】