育英奨学金の授与式で今年選出された受賞者ら(後列)

 南加県人会協議会(芥川義則会長)は10月21日、小東京のアラタニ劇場で第39回親睦演芸会を開催した。各県人会のメンバーが民謡や舞踊を披露したほか、日本文化の継承に励む日系子弟に贈られる育英奨学金の授与式も行われ、7人の受賞者が発表された。日本からの特別ゲストは昨年に引き続き今年も歌手の出光仁美が出演し、観客を沸かせた。【吉田純子、写真も】

 プログラム第1部は西タックさんによる軽快な司会のもと親睦演芸会が行われた。南加県人会協議会に所属する各県人会の有志が民謡や歌謡曲、舞踊などを披露。今年は福岡、熊本、山形、徳島、鹿児島、東京、和歌山、岡山、沖縄、広島、埼玉、福島、栃木、群馬の各県人会のメンバーが参加し、日頃の練習の成果を発揮した。
 南加県人会協議会では毎年、日本の伝統文化の継承に励む未来の日系社会を担う若者に育英奨学金を授与している。
 今年は野田泉さん(太鼓・群馬県人会推薦)、平井明美さん(日本舞踊・鳥取クラブ)、アトキンス直樹さん(津軽三味線・熊本県人会)、山岡カイル・キヨニさん(琉球古典音楽の歌と三線・北米沖縄県人会)、尾崎理子さん(日本語・三重県人会)、小藪リカさん(日本語・和歌山県人会)、石田裕子さん(日本語・北米沖縄県人会)の7人が受賞し、芥川会長から表彰状が手渡された。
 受賞者を代表し謝辞を述べた小藪リカさんは、日本語補習校の教師や、送り迎えをしてくれた両親に感謝の言葉を送った。米国生まれの小藪さんだが、両親やほかの日系1世との考え方や文化の違いに違和感を覚え、自分が日本人であるのか米国人であるのか自問自答する日々が続いたという。
 しかし、日本語や日本文化を学ぶことで、日系2世としてアイデンティティーを築き、バイリンガルを生かしたいと思うようになったという。


昨年に引き続き特別ゲストとして登場した出光仁美
 「これからは日英両語が話せることを生かし、社会貢献できる人物になることを目指して勉学に励んでいきたい」と述べ、「2つの祖国を持ちながら自分らしさを失わず、広い視野を持って日米の懸け橋になりたい」と抱負を語った。
 第2部では特別ゲストの出光が登場。今年2回目の公演となった出光はデビュー9年目。自身のオリジナル曲の「愛しゃ愛しゃ」と「茶屋町しぐれ」のほか、自身と同じレコード会社の日本コロムビアに所属する先輩歌手たちのデビュー曲「恋は神代の昔から(畠山みどり)」、「アンコ椿は恋の花(都はるみ)」、「心のこり(細川たかし)」、「悲しき口笛(美空ひばり)」の4曲と、日本コロムビアの専属作曲家だった古賀政男の名曲「芸者ワルツ(市丸)」、「酒は涙かため息か(藤山一郎)」、「東京ラプソディー(藤山一郎)」を選曲。観客の手拍子のリズムにのり名曲を歌い上げた。
 アンコールには北島三郎の「まつり」と島倉千代子の「人生いろいろ」の2曲を歌い観客を魅了。南加県人会協議会から記念盾、日系のムラツチ・カリフォルニア州下院議員からは感謝状が届けられた。

ちびっ子たちも演芸会で大活躍

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