ロサンゼルス郡におけるヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加しており、2018年の件数は09年以降、最多となったことが同郡人事委員会(LACCHR)の最新の調査結果で明らかになった。【吉田純子】
ヘイトクライムはおもに、人種、民族、宗教、身体的障害、性差、性的指向などに対する差別や偏見をもとに引き起こされる犯罪。
同郡の18年のヘイトクライム件数は521件で、前年の508件から2・6%増加。過去23年間で最も少なかった13年の384件からは36%増加していた。
最もヘイトクライムの被害件数が多かった地域はサンファナンドバレーで111件。次いでウエスト・ハリウッドからボイルハイツにおよぶLA中心部では104件報告された。
標的となるのが最も多かったのはアフリカ系、LGBTQなど性的少数派、ユダヤ系、中南米系だった。
アフリカ系は同郡の人口の約9%にすぎないが、被害件数の半数を満たしていた。
中南米系は4年連続で増えており、前年より18%増加。多くが反移民に関連した差別発言を浴びせられていた。
また性的指向に関するヘイトクライムも増加。最も被害にあっていたのは男性の同性愛者で、性的指向に関するヘイトクライム全体の82%に相当していた。
一方で、白人至上主義に基づくヘイトクライムは10%減少していた。