先月22日と27日、ハリウッド・ボウルで、次世代のクラシック音楽界を背負っていくであろう若く才能のある音楽家たちとLAフィルとの演奏を堪能しました。

 22日は、弱冠24歳のヴェネズエラ人指揮者、エンルイス・モンテス・オリヴァーと、チェコ人ピアニスト、ルカーシュ・ヴォンドラチェクによるラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第2番をメインにしたプログラムでした。恥ずかしながら、この二人のことをそれ以前に全く知らなかったのですが、オリヴァーは第二のドゥダメルと目される注目株で、2019/2020年のシーズンには、ドゥダメルとLAフィルによる若手指揮者のための、「ドゥダメル・フェローシップ・プログラム」に選ばれるなど、めきめきと実力をつけている最中です。

 一方のヴォンドラチェクは、10代半ばにしてUSツアーを行うなど非常に若い時からすでにプロフェッショナルとして活躍しており、2016年には、チャイコフスキー、ショパンと並んで世界三大コンクールの一つといわれるエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝、世界中の名だたるオーケストラとの共演も数多く、着実にキャリアを重ねています。テクニックも音楽性もパワーも必要とされるラフマニノフの協奏曲ですが、立派な体格と長い腕をうまく使い、悠々と弾きこなしているという印象でした。この日の1曲目、ヴェネズエラで最も尊敬されている作曲家カステリャーノスの「パカイリグアの聖なる十字架」、および3曲目のチャイコフスキーの交響曲第2番「イタリア」も手堅くまとめ、オリヴァーの指揮者としての今後に大いに期待を持たせるものとなりました。

 27日にLAフィルを率いたのは、ドイツ人指揮者ルース・ラインハルト。近年、確実に増えつつある女性指揮者の一人で、上記の「ドゥダメル・フェローシップ・プログラム」で研さんを積んだのち、ダラス・シンフォニーの副指揮を務め、全米およびヨーロッパ各地のオーケストラを振り、確実に指揮者として経験を積んでいます。まだまだ絶対的に男性優位の指揮者の世界で、こうして若い世代の女性が頑張っている姿を見るのは、本当にうれしいことです。

 この日は、23歳の若きアメリカ人ピアニスト、エリック・ルーがモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を颯爽(さっそう)と演奏し、まだ少年に見える外見とその立派な演奏内容とのギャップに、うれしい驚きを感じずにはいられませんでした。17歳でショパンコンクール第4位、翌年リーズ国際ピアノコンクール優勝するなど着々と実績を重ね、今後の活躍が大いに期待されるピアニストです。次回はぜひ、ショパンを聴きたいものです。

 いつもは、巨匠とかベテランとかいわれる人たちばかりを聴いているのですが、こうして若手のすがすがしい演奏を聴くのも、違った楽しさがあるものです。今後の活躍に注目しましょう。

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