小東京タワーズで実施したアイモービル。左からクラタ医師、平野会長、右端がチン医師
小東京タワーズで実施したアイモービル。左からクラタ医師、平野会長、右端がチン医師
 リトル東京ライオンズクラブ(平野敬士会長)は21日、診察室を備えた専用トラックで巡回し無料で検眼を行う「アイモービル」を小東京タワーズとボイルハイツの敬老引退者ホームで実施した。小東京のジェームズ・クラタ眼科医院の医師2人が診察し、高齢者を中心に2カ所合わせて約100人が参加した。

検眼鏡を使い吉川さん(右)を診察するクラタ医師
検眼鏡を使い吉川さんを診察するクラタ医師(左)
 小東京タワーズでは、居住者を中心に約50人が参加し、視力検査を行った後、ジェニファー・チン医師から眼圧・眼底などの検査を受けた。チン医師は「目の病気は、高血圧や糖尿病など他の病気が原因で発症することがあるので、目の疲れや痛み、見えにくいなどの異常を感じたら、すぐに眼科医に診てもらうように」とアドバイス。クラタ医師は、高齢者に多い白内障と緑内障の検診を注意深く行った。クラタ医師によると、白内障の疑いがある人も多くおり「眼科医に診てもらって、治療を受けるように」と、日英両語で優しく語りかけた。2人の医師は、目に異常を感じたら医師に相談し、検診は年齢にかかわらず年に1度と勧めていた。
 ウエストLAから来た吉川富士子さん(81)は、白内障を患い右目の視力をほとんど失ったため「あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしている」という。運転ができないため、この日はアーバインに住む娘のエツコ・ヒデさんに連れられて参加した。加齢黄斑変性を指摘され「丁寧な説明を受けて安心した。予約を取って診てもらいに行く」と述べた。娘のエツコさんは「母は我慢する人で、医者に行きたがらない。でも今日、先生のアドバイスをもらい、行く気になったのでよかった」と話した。
IMG_6544 小東京タワーズに暮らす川井カナさん(73)は「目がしょぼしょぼして本の文字が読み辛くなった」と、白内障の自覚症状を持ちながら心配していた。掛かり付けの医師はパサデナのため検眼が億劫になっていたといい「眼鏡を新しくすれば、よく見えるようになる」と自身に言い聞かせていたという。だが、クラタ医師からやはり白内障の疑いを指摘され「早速、クラタ先生のところに行って診察してもらう。診てもらうまでは不安だったけど、診察を受けて良かった」と喜んだ。
 平野会長によるとリトル東京支部は、目の不自由な人や病気の子どもを助ける地域活動に力を注いでいる。アイモービルは、国際ライオンズクラブの支援を受け1975年に始まり、日系高齢者を対象に毎年開催している。平野会長は「白内障や緑内障は、失明につながる恐れがある。手術で治るので、診察を受けた方がいい」と、アイモービルの意義を強調。100人の参加に胸を張り「参加者に自分の目の症状を知ってもらって、喜んでもらえてうれしい」と述べた。【永田潤、写真も】

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