仮装コンテストで1位に輝いた「キャンディーショップ」の野嶋さん一家
仮装コンテストで1位に輝いた「キャンディーショップ」の野嶋さん一家

2位に輝いた「ハイジ、ペーター、アルムおんじ」に扮した池内さん一家
2位に輝いた「ハイジ、ペーター、アルムおんじ」に扮した池内さん一家
 障害児を育てる日本語を話す親の支援グループ「手をつなぐ親の会」(JSPACC、池内和世会長、会員200家族)は19日、障害児の兄弟姉妹「シブリング会」主催によるハロウィーンパーティーを開いた。今年で6回目。
 2009年にJSPACC内に発足したシブリング会は、障害のある兄弟姉妹を持つ健常の子どもたちによって構成され、現在会員は12歳から23歳までの19人。障害児にも楽しいひとときを過ごしてもらおうと、ハロウィーンやバレンタインなどにイベントを企画するほか、障害者のよき理解者として、差別のない社会を導く次世代のリーダーを目指し活動している。
 今年会長に就任したのは、ミラコスタ高校4年の野嶋真衣さん。12歳の妹、紗衣さんは、生まれつき脳の表面にしわがない滑脳症と診断された。一緒に育っていく中で妹を特別視したことはなかったが、小学校5年生の時に友人から「妹さん、死んじゃうの?」と質問され、初めて、世間は違った見方をしていることに気付いたと言う。
すべて手作りの「アンパンマンとその仲間」に扮した野口さん一家
すべて手作りの「アンパンマンとその仲間」に扮した野口さん一家
 「毎日一緒に過ごしているから、私にとっては今の妹が普通の妹。一般の人も障害者と過ごす時間が増えれば、理解も深まり、健常者と変わりないと分かってくれると思う」といい、その壁を取り除くため、今後もシブリング会の活動に力を入れていきたいと抱負を語った。
 野嶋会長と尾崎泰斗さんの司会で始まったハロウィーンパーティーには約90人が集まり、会員が持ち寄った手料理を堪能した後、仮装コンテストやピニャータが行われた。仮装コンテストは数カ月前からすべて手作りで準備をする家族も多く、参加者は楽しいひとときを過ごした。また、今年は初の試みとして、アート作品の展示も行われ、子どもたちの個性豊かな作品が会場に展示された。
 JSPACCの池内会長は、シブリング会の初代役員が大学へ進学したため、一時は引き継ぎがうまくいくか心配だったというが、「上の子たちがいなくなったことで下の子たちに責任感が生まれたようで、しっかりとやっている」と彼らの活動ぶりを称賛。今後の課題として、「(この灯火を消さないためにも)中学や高校になった時に役員として活躍できるよう、今、9歳や10歳という小さいシブリングたちと、現シブリング役員の子との交流も必要」と述べるとともに、若者の活躍に期待を寄せた。
 JSPACCでは専門家を招いた勉強会や、さまざまなイベントなどを行っている。詳細は、ホームページで―
 www.jspacc.org/
【中村良子、写真も】

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